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第14回東奥スポーツ賞

 第14回東奥スポーツ賞各賞の受賞者が、2個人2団体に決まった。スポーツ賞は、昨年の全国中学校スキー大会男子距離5キロクラシカルで、当時2年生ながら県勢36年ぶりの優勝に輝いた野辺地中学校3年の亀田華悠(かゆう)さん(15)、東京五輪種目に採用されたスポーツクライミングを幼少時から始め、国内トップ選手が集う昨年の全国大会などで優勝を重ねている八戸市湊小学校6年の関川愛音(めろでぃ)さん(12)、コンピューターゲームの腕を競う「eスポーツ」で昨年、国体の文化プログラムとして初開催された全国都道府県対抗選手権サッカーゲーム「ウイニングイレブン」少年の部で初代王者となった、青森明の星高校の生徒5人がメンバーの青森県代表チームに贈る。また、スポーツ功労賞は1987年の創設以来、会員の自主自立の運営を続けながら、国体の青森県選手団に帯同し選手のメディカル面をサポートするなど、青森県の競技力向上を支えてきた県スポーツドクターの会(岡村良久会長)に贈る。

東奥スポーツ賞
 ▼スポーツクライミング 関川愛音さん ― アマ最年少V 次は世界へ
 ▼スキー距離 亀田華悠さん ― 終盤粘り 頭角めきめき
 ▼eスポーツ 青森県チーム(明の星高) ― 「ウイイレ」息合わせ国体V
 ▼やり投げ奈良岡翠蘭さん ― 大舞台で自己ベスト
東奥スポーツ功労賞
 ▼県スポーツ ドクターの会 ― けが予防 啓発に注力

◆東奥スポーツ賞

スポーツクライミング全国大会で優勝を重ね、将来は五輪で金メダルが目標という関川愛音さん=2019年10月、八戸市
関川愛音さん ― アマ最年少V 次は世界へ

 2019年6月、スポーツクライミングのトップ選手が競う「アディダス・ロックスター・トーキョー2019」(東京)の女子一般アマチュア部門に最年少出場し、見事頂点に立った。9月には「ボルダリング小学生大会」(同)の5・6年生クラスでも優勝。東京五輪で正式種目となった同競技で、めきめきと腕を上げている次世代のヒロインだ。

 競技を始めたのは小学1年生。初出場した大会で好成績を収めたことでのめり込み、現在は八戸市のボルダリングジムなどで練習を重ねる。よりよい練習環境を求めて岩手や仙台に遠征することもしばしば。夏休みには神奈川と大阪に長期滞在し、実力を身に付けた。体つきに合わせた登り方や最適なコース取りをする観察眼、最後まで登り切る持久力などを磨くため、ほぼ毎日壁に向かう。

 中学2年生からは世界大会に出場可能となる。夢は五輪金メダル。東京の次の24年パリ五輪、28年ロサンゼルス五輪出場が目標だ。「(東奥スポーツ賞)受賞をとてもうれしく思う。応援してくれる人のため、これからも結果を残す」と、さらなる高みへ闘志をみなぎらせた。

2連覇を目指した今年の全国中学校スキー大会男子距離5キロクラシカルで3位となった亀田華悠さん=2月6日、長野県野沢温泉村
亀田華悠さん ― 終盤粘り 頭角めきめき

 新潟県十日町市で行われた2019年の全国中学校スキー大会。男子距離5キロクラシカルで、当時野辺地中2年の亀田華悠さんが、県勢36年ぶりとなる優勝を果たした。

 馬門小3年の冬に競技を始めた。ジュニア時代は県小学生スキー大会、県ジュニアクロスカントリー大会で優勝を総なめにした。夏場はローラースキーを履いて練習を重ね、めきめき力をつけた。

 満を持して臨んだ全国大会。脚力やスタミナだけでなく、精神面も鍛えた。向かうところ敵なしだった県大会では、終盤に疲れが出たところで力を出し切ることを諦めた。手を抜いたことを見抜いたコーチや監督から「最後は気持ち」「我慢勝負」と諭され、気持ちを切らさないレースを心掛けるようになった。体力を削られていく終盤は「(前の選手を)1人ずつ抜くことだけ考えた」と、雑念を捨てて勝負に徹し、自身初の全国大会制覇を成し遂げた。

 栄冠を手にして迎えた最終学年の今年の大会。惜しくも連覇を逃し3位となったが「今までで一番いい滑りができた」と充実の表情を見せた。競技人生はまだ始まったばかりだ。

「eスポーツ」の全国都道府県対抗選手権のサッカーゲーム「ウイニングイレブン」少年の部で優勝した青森県代表チームのメンバー=2019年10月、茨城県・つくば国際会議場
eスポーツ 青森県チーム(明の星高) ― 「ウイイレ」息合わせ国体V

 コンピューターゲームの腕前を競う「eスポーツ」が国体の一分野として、文化プログラムながら初めて採用された昨年10月の茨城国体。その全国都道府県対抗選手権のサッカーゲーム「ウイニングイレブン(ウイイレ)」少年の部で、青森県チームが全国48チームの頂点に立ち、初代王者に輝いた。

 メンバーは青森明の星高校の貴田英貢也(えくや)さん(2年)、坂井空蒼(くう)さん(3年)、花田良臣さん(2年)、越田海斗さん(3年)、阿部壮琉(たける)さん(3年)の5人。よく一緒にウイイレで遊んでいて、チームを組んで出場することにしたという。

 決勝の長崎戦は1点を争う攻防の末、3-2で逃げ切った。決勝点を決めた花田さんは「大舞台で緊張したが、試合前にみんなで円陣を組んで気持ちを切り替えられた」。リーダーの貴田さんは「今まで練習してきた成果が出た。みんなの息を合わせるのが難しかった」と振り返る。

 優勝後は県サッカー協会から奨励賞を贈られるなど多方面から表彰された。貴田さんは「eスポーツが普通のスポーツと同じように認められ始めたのかな」と受賞を喜んだ。

◆東奥スポーツ功労賞

県スポーツドクターの会による野球肘の検診=2018年(同会提供)
県スポーツ ドクターの会 ― けが予防 啓発に注力

 頂点を目指すアスリートにとって、まさに心強い存在だ。青森県スポーツ医科学の普及・啓発と競技力向上を目的として1987年に発足。国体などの大会に同行して選手のアクシデントへの対応はもちろん、県内各地で選手のメディカルチェックやけがの予防活動にも力を注いできた。

 発足当初、20人弱だった会員数は現在では100人を超え、整形外科と外科を中心に内科などの医師が名を連ねる。トレーナーやスポーツ栄養士、薬剤師の育成、中高年の健康増進活動にも取り組んでいる。

 野球に携わる小中高校生を対象に、投げ過ぎなどで起きる肘の障害(野球肘)の検診や、けがの予防に向けた冊子の編集にも携わる。

 「昔は、故障したら会に相談すればいい-という競技団体や選手が多かったが、少しずつ傷害予防などへの意識も高まり、県内でもスポーツ医科学が理解されてきた」と岡村良久会長(69)。会の運営を会費のみで賄っているのも全国では極めて珍しい。

 2025年には、国民スポーツ大会の青森県開催を控える。岡村会長は「けがを診るだけが医者ではないことをもっと啓発したい」と語った。