東奥日報社が募集していた「読者が選ぶ2020年県内10大ニュース」が決まった。はがき、ファクス、スマートフォンサイトなどからの投票を集計した結果、1位は470点を集めた「ねぶた祭など夏祭り相次ぎ中止」に決まった。2位は「弘前さくらまつり中止、公園閉鎖」、3位は「弘前で新型コロナ大規模クラスター」となった。4位は「ブサかわ犬『わさお』死ぬ」、5位は「新型コロナ感染者、県内で初確認」、6位は「歴史的暖冬 青森市の積雪ゼロに」。以下、7位「大間マグロ1億9320万円」、8位「本県含む全都道府県に緊急事態宣言」、9位「県高校総体、甲子園県予選が中止」、10位「『縄文』世界遺産へ推薦書提出」となった。次点は「青森山田、全国高校サッカー準V」だった。(ランキングは、31項目から読者に順位を付けずに10項目を選んでもらったものを集計しました)

1位 【470点】 夏祭り相次ぎ中止

青森ねぶた祭の中止決定を受け、ねぶた小屋の解体が進む「ラッセランド」=4月10日、青森市安方

 「皆さんを落胆させるのは、じくじたる思いだ」

 4月8日、青森ねぶた祭を主催する実行委員会の奈良秀則実行委員長はこう述べつつ、祭り中止に理解を求めた。翌9日からは青森市安方のねぶた団地「ラッセランド」で、ねぶた小屋の解体が始まった。工事を請け負った建設会社の現場責任者は「4月にこんな作業をするとは夢にも思わなかった」とぽつり。ねぶたの制作拠点として、例年8月まで多くの人が集うベイエリアは殺風景になった。

 同じく4月には、弘前ねぷたまつりの中止が決定、八戸三社大祭は山車運行を取りやめ、神社で祭典のみを行うこととした。7月には五所川原立佞武多(たちねぷた)も開催を断念。黒石よされ、田名部まつり(むつ市)なども加え、中止に追い込まれた県内の夏祭り、伝統行事、イベントは7月下旬時点で少なくとも44に上った。

五所川原立佞武多の代替イベントとして開かれた「ごしょがわらGENKIまつり」では、大型立佞武多が花火と競演した=9月18日、五所川原市大町)

 一方、静かに過ぎ去っていく夏の雰囲気を少しでも味わおうと、各地の関係者は代替イベントを行った。

 青森市では、例年ねぶた祭最終日の8月7日に「ナヌカ日ねぶた」を開催。大型ねぶたの展示やねぶた囃子(ばやし)の演奏を4千人が堪能した。五所川原市で9月18日に行った「やってまれ!ごしょがわらGENKIまつり」では、サプライズで大型立佞武多が登場。打ち上げられた花火と競演し、市民を沸かせた。

 祭りがない中でも、地道に練習する囃子方の姿が各地で見られた。クラウドファンディングなどで集めた支援金で、ねぶた師14人が特別ねぶたの合作に挑むなど新たな試みもさまざま行われた。

 開催する年より、祭りの存在の大きさを確認し、祭りの熱気に恋い焦がれたこの一年。来年はため込んだ思いを爆発させようと、祭り関係者は今からうずうずしている。

2位 【450点】 弘前さくらまつり中止

シダレザクラやソメイヨシノが咲き誇る弘前城本丸=4月27日(本紙空撮チーム、許可を得て小型無人機で撮影)

 弘前さくらまつりを主催する4団体(弘前市、弘前商工会議所、弘前観光コンベンション協会、弘前市物産協会)は3月26日、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、4月23日の開幕を予定していた今年のまつりを中止すると発表した。1918(大正7)年に「弘前観桜会」として始まったまつりは今年が100回目の節目だった。まつり中止は第2次世界大戦による44~46年以来4回目。

 例年、国内外から200万人以上を集める市内最大のイベントがなくなり、観光業界には落胆が広がった。桜田宏市長は記者会見で「地域経済には大きな打撃だが、一番守らないといけないのは地域住民の命」と強調した。

新型コロナウイルス感染拡大防止のため閉鎖された弘前公園。三つの城門が閉じられた=4月10日午後

 桜田市長はその後、桜開花時期に当たる4月10日から5月17日まで、弘前公園の閉鎖も決めた。1895(明治28)年の開園以来、公園の全面閉鎖は初めて。4月10日には三つの城門を閉じ、他の出入り口にも「入園禁止」と記されたバリケードを設置した。閉門を見守った市民からは「あり得ないことが目の前で起きている感覚」との声が漏れた。

 無人の園内でソメイヨシノは4月19日に開花し、満開は27日から30日まで続いた。38日ぶりに公園が開放された5月18日には、桜が散った園内を市民らが散策した。市は来年春の101回目のまつりに向け、夜桜のライトアップを強化して見どころを増やし、来場者の分散に努める方針。

3位 【420点】 弘前 大規模クラスター

大規模クラスターを受け、弘前市内の飲食店は臨時休業し、繁華街は閑散とした=10月20日、同市新鍛冶町

 10月、弘前市鍛冶町の接待を伴う飲食店から派生した新型コロナウイルスのクラスターは関連を含め191人と、全国最大規模となった。市民からは、弘前保健所の初動の遅さを指摘する声が聞かれた。

 同保健所管内で、初めて感染者が確認されたのは10月12日。市内の病院の医師で、同月上旬に同飲食店を利用していた。その後、同店の従業員や利用客の感染が相次いで判明し、16日の県内の感染者は1日最多の26人に。感染者の同居人、知人、職場関係者らへと広がった。

 市は、20日から同31日まで、市内全飲食店に休業や時短営業を依頼。全市立小・中学校を19日から11月1日まで臨時休校にした。県内の病床は逼迫(ひっぱく)、市内の救急病院は、コロナ診療に追われ、一般の救急患者に対応できない事例も発生した。

大規模クラスターの影響で、PCR検査依頼が急増。弘前市の健生病院では、ドライブスルー方式で検体採取を行った=10月

 県は11月25日、「封じ込め」を発表したが、店にウイルスが持ち込まれた詳しい経緯は分かっていない。感染者191人のうち、従業員は21人、利用客51人、同店から派生した病院クラスター関連が16人。

 店の従業員らが10月の早い段階から体調不良を訴えていたにもかかわらず、PCR検査に至らなかったことに関し、12月県議会で、保健所の対応を疑問視する声が上がった。

4位 【412点】 人気犬「わさお」天国へ

岩木山と菜の花をバックに写真に納まるわさお=2015年、鯵ケ沢町

 不細工だけどかわいい「ブサかわ」で、全国的に人気を集めた鯵ケ沢町の秋田犬「わさお」が6月8日、天国に旅立った。捨て犬だったため正確な年齢ははっきりせず推定13歳。人間の年齢なら、90代前半の大往生だった。

 わさおは2007年秋、同町でイカ焼き店を営む菊谷節子さん(17年死去)に拾われて店の看板犬に。翌08年、旅行中のブロガーが取り上げて一躍有名になった。ふさふさの長い毛で人々を癒やし、半生をテーマにした映画や写真集が作られた。町特別観光大使やJR鯵ケ沢駅観光駅長なども務めるなど活躍した。

 今年3月、テレビ番組「天才!志村どうぶつ園」で共演した志村けんさんが新型コロナウイルス感染症による肺炎で他界すると、わさおは急に足腰が弱り、立ち上がることができなくなったという。

わさおの遺影を囲み、花が供えられたイカ焼き店=6月9日

 わさおの死後、町は6月に「キミは町のヒーロー」のメッセージが入った横断幕を役場庁舎に掲げて功績をたたえた。8月には県が観光振興に貢献したとして「青森犬(けん)民栄誉賞」、町は「町名誉犬章(けんしょう)」を贈った。同月、町の文化交流施設・日本海拠点館に設けられた献花台には、県内外のファンら2千人以上が訪れた。

 現在、町関係者がわさおの足跡を語り継ごうと、記念碑の製作に向けて寄付を募っている。

5位 【376点】 県内初 コロナ感染者

八戸市内で新型コロナウイルス感染が判明し、記者会見する小林市長(左)=3月23日、八戸市庁

 八戸市で3月23日、県内初の新型コロナウイルス感染者が確認された。県、市によると、同市在住の70代夫婦で、夫はスペイン旅行ツアーに参加し、渡航歴があった。

 同日夜、「県内初の陽性者確認」の知らせに県と市の担当部局は緊迫感に包まれた。三村申吾知事、小林眞市長がそれぞれ急きょ会見し、感染拡大防止に取り組む姿勢を強調。市は感染者の行動歴、濃厚接触者について「まだ把握していない」「これから特定する」と繰り返し、対応が追いついていないことをうかがわせた。

八戸市に開設されたPCR検査センターで、検体採取を実演する関係者=6月1日

 ツアーには三八地域在住の男女9人が同行。25日にさらに4人の感染が判明した。年度末で本来にぎわうはずだった同市の繁華街は閑散とした一方で、ドラッグストアには品薄となったマスクを買い求める市民の長い行列ができた。

感染者の行動歴聞き取りなど対応に追われた八戸市保健所=6月19日

 市保健所の相談電話はしばらく鳴りやまず、多い日で300件に上った。健康不安の訴えのほか、「感染したのは誰か」など興味本位の内容も多かったという。ネット上には感染者に対する誹謗(ひぼう)中傷が書き込まれ、県と市が「冷静な対応を」と呼び掛ける事態となった。

6位 【311点】 青森 2月積雪ゼロ

地面が露出している釜臥山スキー場のゲレンデ。各地のスキー場は雪不足に悩まされた=1月25日、むつ市

 世界有数の豪雪都市・青森市は2020年1月末~2月にかけて積雪ゼロを観測した。厳冬期の2月を積雪ゼロで迎えるのは、統計史上初めて。例年と異なる光景に市民は「除雪作業が減って生活しやすい」と歓迎する一方、スキー場などは雪不足による利用客減少に悩まされた。

 気象庁によると、昨年12月~今年2月の日本の平均気温は平年値を1.66度上回り、1897(明治30)年の統計開始以来最も暖かい冬となった。

 県内各地の寒候年(19年8月~20年7月)の累計降雪量は、青森264センチ(平年値669センチ、平年比40%)、弘前343センチ(同748センチ、同46%)、八戸87センチ(同248センチ、同35%)、むつ213センチ(同514センチ、同41%)、深浦63センチ(同321センチ、同20%)など、いずれも平年の半分以下だった。

 各地で雪や寒さを逆手に取って売り込む冬の観光イベントは縮小や見直しを余儀なくされ、スキー場は開業延期や営業終了を前倒しするなど影響を受けた。

極端に雪が少なく異例の暖かい冬となった青森市=2月1日午後

 一転、今シーズンの積雪は12月22日に青森市で65センチを観測。19~20年冬の最深積雪38センチを既に大きく上回っている。


  • 7位 【306点】
    大間マグロ1億9320万円

     東京・豊洲市場で1月5日、令和初の新春「初競り」が開かれ、276キロの大間産クロマグロが1億9320万円と、前年に次ぐ2番目の高値を付けた。1キロ当たりの単価は70万円。

    豊洲市場の初競りで1億9320万円で落札され、築地に運ばれた大間産のクロマグロ=1月5日午前6時55分、東京都中央区
  • 8位 【269点】
    全都道府県に拡大/コロナ緊急事態宣言

     新型コロナウイルスの感染増加で4月16日、国の緊急事態宣言の対象地域を全都道府県に拡大。三村申吾知事は17日、不要不急の外出、県外への移動の自粛を県民に求めた。

    危機対策本部会議で、県民に不要不急の外出をしないよう求める三村知事=4月17日午後、県庁
  • 9位 【181点】
    県高総体と甲子園/県予選が中止

     新型コロナの影響で6月の県高校総体、7月の夏の高校野球県予選が中止に。一方で多くの競技専門部などは、選手の晴れ舞台をつくろうと感染防止策を講じ競技ごとの代替大会を開催。

    夏の甲子園と地方大会中止に伴う本県独自の代替大会「夏季県高校野球大会」で優勝を決め、喜ぶ青森山田ナイン=7月28日午後、青森市のダイシンベースボールスタジアム
  • 10位 【180点】
    「縄文」世界遺産へ/推薦書を提出

     世界文化遺産登録を目指す本県など4道県の「北海道・北東北の縄文遺跡群」の推薦書を、政府が1月16日、ユネスコ本部に提出した。2021年夏に登録の可否が審査される見通し。

    ユネスコの諮問機関イコモスの調査員(右から2人目)が三内丸山遺跡を訪れ、6本柱前で説明を受けた=9月4日午後、青森市

7位 【306点】 大間マグロ1億9320万円

豊洲市場の初競りで1億9320万円で落札され、築地に運ばれた大間産のクロマグロ=1月5日午前6時55分、東京都中央区

 東京・豊洲市場で1月5日、令和初の新春「初競り」が開かれ、276キロの大間産クロマグロが1億9320万円と、前年に次ぐ2番目の高値を付けた。1キロ当たりの単価は70万円。

8位 【269点】 全都道府県に拡大/コロナ緊急事態宣言

危機対策本部会議で、県民に不要不急の外出をしないよう求める三村知事=4月17日午後、県庁

 新型コロナウイルスの感染増加で4月16日、国の緊急事態宣言の対象地域を全都道府県に拡大。三村申吾知事は17日、不要不急の外出、県外への移動の自粛を県民に求めた。

9位 【181点】 県高総体と甲子園/県予選が中止

夏の甲子園と地方大会中止に伴う本県独自の代替大会「夏季県高校野球大会」で優勝を決め、喜ぶ青森山田ナイン=7月28日午後、青森市のダイシンベースボールスタジアム

 新型コロナの影響で6月の県高校総体、7月の夏の高校野球県予選が中止に。一方で多くの競技専門部などは、選手の晴れ舞台をつくろうと感染防止策を講じ競技ごとの代替大会を開催。

10位 【180点】 「縄文」世界遺産へ/推薦書を提出

ユネスコの諮問機関イコモスの調査員(右から2人目)が三内丸山遺跡を訪れ、6本柱前で説明を受けた=9月4日午後、青森市

 世界文化遺産登録を目指す本県など4道県の「北海道・北東北の縄文遺跡群」の推薦書を、政府が1月16日、ユネスコ本部に提出した。2021年夏に登録の可否が審査される見通し。

11位 169点 青森山田、全国高校サッカー準V
12位 163点 官製談合疑いで西目屋村長逮捕
13位 162点 深浦「ウェスパ椿山」25年の歴史に幕
14位 157点 つがる4人死亡事故 被告に懲役20年
15位 149点 名農生、水研究で世界青少年大賞
16位 148点 青森国際ホテル破産 負債10億円超
17位 144点 85~91歳 陸上リレー日本記録
18位 142点 浦町中・水野さん陸上100メートル全国優勝
19位 137点 青銀・みち銀 経営統合案浮上
20位 135点 コロナ感染者の電子カルテ流出
21位 128点 むつ市長「人災」発言 注目集める
22位 111点 弘実・村上さん女子ハンマー高校新
23位 109点 弘前の料亭「翠明荘」閉店
24位 106点 つがるで国内最大の風力発電稼働
25位 104点 湊中・関川さんボルダリング日本一
26位 66点 原子力関連施設「合格」相次ぐ
27位 64点 「氷都新時代! 八戸国体」開催
28位 60点 六ケ所沖で貨物船沈没、外国人13人不明
29位 53点 弘前市、性的少数者パートナー制度導入へ
30位 26点 「青い森クラウド」民事再生申し立て
31位 14点 県漁連理事会が三津谷会長解任

 ▼お礼 「読者が選ぶ2020年県内10大ニュース」への応募、ありがとうございました。はがき、ファクス、東奥日報社のホームページ、スマートフォンサイトでの応募総数は計576通でした。応募いただいた方の中から抽選で20人に記念品を贈ります。当選は発送をもって代えさせていただきます。ご了承ください。