▼570歩
「青森はコメが良いから酒もおいしい」と力説する葛西さん=地図(1)

 午前10時ごろ、国道4号と県道259号の分岐点からスタートした。気温は24度と過ごしやすく、まさに散策日和。県道に入って東へ歩くと、左手に「酒のかさい」が見えてきた。今年で開業89年目を迎える店内には、日本酒の瓶がずらりと並んでいる。「うちでは県産酒しか扱っていないんです」とオーナーの葛西良博さん(79)。青森市の地酒「田酒」はもちろん、夏の間に熟成させた「七力」や「稲村屋」も陳列していた。

▼1267歩
「健康が一番」と話す祖父江社長。毎日エアロバイクを600回こぐという=地図(2)

 さらに東へ進み、「そふえ釣具」をのぞいた。休日には1日に500人以上の客が訪れる人気店だ。店に入ると、「客と話すことが大好き」という祖父江弘子社長(79)が客と楽しげに談笑していた。約30年前から通う男性常連客(76)によると、「祖父江社長とのおしゃべりも、店の楽しみの一つ。アットホームな雰囲気が良いね」とのこと。初心者向けから上級者向けまで、充実した品ぞろえも魅力的だ。祖父江社長は「商売はお客さんのわがままを聞いてあげなきゃ。お客さん一人一人の趣味や目的に応える商品をそろえているの」と胸を張った。

▼2606歩
「BIRD BRANCH」店主の久保澤さん。「花を飾りたくなるようなおしゃれな鉢を用意しています」=地図(3)

 赤川を渡って右折し、県立中央病院がある通りを道なりに進む。右手に花屋「BIRD BRANCH」の看板が目に入った。表に並んだ鉢植えの緑が鮮やかだ。トルコキキョウやクジャクソウといった色とりどりの花があふれる店内は、まるで花畑のよう。所々に並べられた雑貨や食品も目を引く。1人で店を切り盛りする久保澤美香さん(48)は「患者さんや病院で働くスタッフの癒やしになるような店を目指しています」とにっこり。久保澤さんにすすめられ、土や砂が不要なエアプランツを1株購入した。植物に癒やされて、仕事もはかどりそう。

▼4647歩
人気が高いパンプキンパイのほか、30種類以上のパンが並ぶ「ボンみすず」=地図(4)

 薬局が並ぶ通りから住宅街に入り、歩くこと約15分。香ばしい香りに引き寄せられ、パン屋「ボンみすず」に立ち寄った。1番人気は「パンプキンパイ」(145円)。店員の佐藤弓子さん(35)が「カボチャをたっぷり使った手作りのあんが自慢」と教えてくれた。食欲に負けて、筆者も一口。こだわりのあんは甘すぎず、カボチャ本来の程よい甘さだ。ほかにも、あんドーナツの表面にザラザラのグラニュー糖をまぶした「アンドーナッツ」(110円)などがおすすめという。

▼5651歩
1975年に開業した小笠原さん。「お客さんへの感謝でいっぱい」としみじみ=地図(5)

 住宅街を抜け、県道に戻った。再び東に進むと、大きな窓からハロウィーンのカボチャのお化けが何体ものぞく店が目に入った。ピンク色の看板が目立つ「ヒデ美容室」だ。店の扉を開けると、店主の小笠原秀子さん(67)が笑顔で迎えてくれた。「お客さんがきれいになって、笑顔で帰っていくのを見るのがうれしい」と顔をほころばせる小笠原さん。せっかくなので、筆者も目の下まで伸びた前髪を切ってもらった。世間話で盛り上がるうちに、10分もたたずにカットは終了。さすがの手さばきだった。

 店を出た頃には、小学生が下校する時間。住宅街の造道周辺には、商人の真摯(しんし)な思いが息づいていた。