スカートの下などにはくストッキング。女の子は学校にはいていく機会も多いかもしれませんね。実は、青森県は日本で一番ストッキングを作っている県だって知っていましたか? 理由は簡単(かんたん)。むつ市にストッキングを作る大きな工場があるからです。
ストッキングのメーカー「アツギ」の商品を作るむつ市の「アツギ東北むつ事業所」をたずねました。ここでは県内外の六つの関連工場と協力し、ストッキングを中心に、1年間で国内トップの約4800万足の商品を作っています。国の2004年の調査(ちょうさ)で、パンティーストッキングの県別の出荷金額(きんがく)でも青森県が1位でした。
「アツギの大きな工場は中国に2カ所ありますが、日本国内はここのみ。原料の糸を作るところから商品の完成まで、生産工程(こうてい)の全てを行うことができます。新商品の試作もやっているんですよ」と、早坂俊彦(はやさかとしひこ)事業所長。日本では全作業ができる工場が珍(めずら)しく、作る数の多さからも「日本一のストッキング工場といえると思います」と話します。
工場の中をのぞくと原料の糸がずらり。いろいろな種類の糸を組み合わせ、各商品にぴったりな糸を作ります。糸はデリケートなため、保存にも気をつかうそうです。
ストッキングは片足(かたあし)ずつ編(あ)み上げた後、機械や手作業で右足部分と左足部分をくっつけます。でも、ここでは、まだ白いまま。専用(せんよう)の機械でベージュや黒に染(そ)めて乾(かわ)かし、きれいな形に整えます。
最後は念入りなチェックと、商品用のビニール袋(ぶくろ)に詰(つ)める作業です。早坂事業所長が「担当(たんとう)者が1足ずつ検査(けんさ)して、ビニール袋に入れていくんですよ」と教えてくれました。
そのほかの場所は機械の音がすごいのに、商品チェックの場所はとても静か。集中力を研ぎ澄(す)ませて作業する必要があるからです。
みんながお店で目にするアツギのストッキングは、もしかしたら青森県で作られたものかもしれませんね。