植樹など国内外の「森」を仕事とするイオン環境財団事務局長の山本さん=8月、東京都内

 「会社より、国内外の森に出かけていることが多い」。そう話すのは、流通大手イオンの「イオン環境財団」で事務局長を務める、青森市出身の山本百合子さん(53)=千葉市。植樹など環境活動に奔走し、国内外を飛び回っている。

 仕事先の半分は海外が占める。ミャンマーやカンボジアなどアジア各国で森づくりのほか、紛争で傷ついた子どもたちを支援したり、環境問題に関するシンポジウムでマイクを握ることもある。

 青森明の星高時代、短期留学した米国・ボストンで「青森を出て初めて『世界』を見たことで考え方が大きく変わった」と山本さん。「英語と共に生活する人生」を考えるようになった。

 ボランティアや旅行先として海外を選ぶようになった大学時代。学校建設に取り組んだメキシコでの体験が忘れられない。動物の骨が散らばる砂漠化した荒野で、熱中症になりながらもボランティアに汗を流した。「日本の豊かさを知り、平和はどうやったら生まれるのか」との思いを強くしたという。

 イオン入社後は長く秘書畑で実績を積み、2014年から同財団事務局長との兼任となった。「平和の大切さを次世代に伝えたい」との信念から、山本さんは現在、環境教育に注力している。

 財団は毎年、日本を含むアジア各国の大学生を対象に、泊まり込みでフィールドワークを実施。9カ国の学生が参加した今年はマレーシアを舞台に、熱帯雨林の恵みや不法伐採の実態を学んだ。

 「世界の環境は破壊的な状況にあるが、次世代の子どもたちのことを考えた取り組みをしていかないといけない」と、山本さんは強調する。

 3年前、婦人科系の病を患って大がかりな手術を経験した。時間の大切さと共に平和を願う気持ちを一層強くし、環境教育への取り組みを深化させようと上智大学大学院で地球環境学を受講。今夏で修了し、今後は博士後期課程の受験にも挑戦したいと考えている。

 背景には、東日本大震災の復興に関わりたいとの思いもある。「環境を通じた豊かな社会づくりという観点で、自分に何かできることがあるんじゃないかと探している。ドクターコースでもっと深く研究したい」

 古里とのつながりも大切にし、今年から母校・明の星高の同窓会関東支部長に就任した。「私のキーワードである『次世代』『自然との共生』を、青森とどうつなげられるか考えてみたい」。言葉に熱がこもった。