ラジオから流れてくるテンポのいいトークや音楽は、聞いている人を楽しい気分にさせてくれますよね。青森市にあるエフエム青森のアナウンサー横山琢巳(よこやまたくみ)さん(28)=八戸市出身=は、親しみやすい爽(さわ)やかな声で、音楽の魅力(みりょく)や生活情報(じょうほう)を伝えています。
横山さんの担当(たんとう)は主に夕方の生放送。機材が並(なら)んだスタジオに入り、マイクの前で話します。音楽がかかっている間も、リスナー(聞き手)からのメールをチェックしたり、次に話すコメントを原稿(げんこう)に書き込(こ)んだりと、てきぱき準備(じゅんび)します。手元にはストップウオッチ。「放送時間は決まっているので、常(つね)に残り時間を考えて番組を進めます。音楽の終わりとしゃべりの終わりが合うように、秒数を計算して話します」
番組の準備は放送前日から始まります。台本や原稿を書いたり、ゲストとの打ち合わせなど大忙(いそが)しです。曲選びにはこだわりがあり、曲の雰囲気(ふんいき)や時間、流れを考えて放送する順番を決めます。「リスナーから『今の曲、何ですか?』と聞かれるとうれしい。自分が選んだ曲に興味(きょうみ)を持ってもらえるのが1番やりがいを感じる」と語ります。
横山さんがラジオに興味を持ったのは小学3年生の時。ラジオのダイヤルを回してみると、いろんなチャンネルがあることに気づきました。中でもエフエムラジオからは、自分が聞いたことのない音楽がたくさん流れていて、「かっこいい」と夢中(むちゅう)になりました。中学生や高校生のころには「家に帰るとまず最初にラジオをつける」ほど大好きだったそうです。
大学卒業後に「ラジオで音楽を紹介(しょうかい)する仕事がしたい」と全国のラジオ局を受験。なかなか合格(ごうかく)できず挫折(ざせつ)も味わいましたが、24歳(さい)の時に夢(ゆめ)をかなえました。
ラジオの仕事を目指す子どもたちには「いろんな人と会話してみて。自分がしゃべるだけでなく、聞き上手になることも大事」とアドバイスしてくれました。