青森県弘前市の弘前大学付属(ふぞく)中学校美術(びじゅつ)部2年の工藤(くどう)ひすいさん(14)=大鰐町在住(ざいじゅう)=が昨年12月、同市の弘南鉄道中央弘前駅舎(えきしゃ)内のギャラリーまんなかで個展(こてん)を開きました。幼少期(ようしょうき)から絵が好きで、転部を機に昨年から本格的(ほんかくてき)に制作(せいさく)を始めた工藤さんは「わくわくする。見る人の印象に残る絵があったらうれしい」とレイアウトも自ら考え、飾(かざ)り付けました。
元々演劇(えんげき)部だった工藤さんは、「もっと自分に向いているものを探(さが)したい」と、2020年12月に美術部に転部しました。鉛筆(えんぴつ)やクレヨン、アクリル絵の具、油絵の具など多様な画材で主に人物画を描(えが)いています。昨年7月の文化祭では校内の一室に絵を飾りました。
11月、工藤さんから個展を開きたいと相談を受けた同部顧問(こもん)の蒔苗靖子(まかなえ・やすこ)教諭(きょうゆ)は「上手下手ではなく、彼女(かのじょ)は描きたいように描いている。パワーに圧倒(あっとう)された」と、以前から関わりのあったギャラリーまんなかでの開催(かいさい)が決まりました。同部で個展を開いた生徒は今までにいないということです。
会場には、描きためた作品約40点のほか、ファストフードの紙袋(かみぶくろ)や授業(じゅぎょう)のプリントに描いた作品も並(なら)びました。3日間で約100人が来場し、工藤さんは「人によって反応(はんのう)が違(ちが)うのが面白(おもしろ)く、いい経験(けいけん)になった。絵を通して交流できてうれしかった」と話しました。蒔苗教諭は「将来(しょうらい)、見たことがないものを作ってくれそう。芸術家(げいじゅつか)になって弘前れんが倉庫美術館で展覧会(てんらんかい)など開いてくれたら」と期待しています。
学校がある日も毎日筆を握(にぎ)っているという工藤さんは「化学式も歴史の人物もアートに見える。絵を通して物事を多面的に考えられる人になりたい」と話しています。