浪曲の歴史や魅力について語る春野氏

 東奥情報懇談会の1月特別例会が11日、青森市のホテル青森で開かれ、浪曲師の春野恵子氏が「浪曲一直線!」と題して講演した。東京大学卒業後、タレント活動を経て浪曲師になるまでの裏話・苦労話や、浪曲の歴史や魅力について語った。

 春野氏は浪曲について「江戸時代末期から明治初めに成立した演芸。落語や講談に比べて新しく、『和製オペラ』『一人和製ミュージカル』とも言われる」などと説明。自身はタレントや女優を経て、20代後半で師匠の春野百合子に弟子入り。「何をして生きていくのか悩み続けた20代だった」と明かし、「いろいろなエンターテインメントがあるが、聴いている人がどれだけ引き込まれるか。その引力が素晴らしい」と浪曲の魅力を語った。

 一方、浪曲は「聴く機会が少ない」とも。魅力を広く伝えるため、英語浪曲で数多くの海外公演を行ったことや、現代向けにアレンジした「新作浪曲」、洋楽を採り入れた「ロック浪曲」など、次の世代へつなげるための工夫を紹介した。

 語りで最も大切にしているのは「説得力を持って語ること」と言い「学校の先生や相手との交渉のときなど、しゃべり方や声の出し方は大変重要。日本にはたくさんの種類の語り芸があるので技術を学んでほしい」と強調した。

 講演の最後には迫力ある一席を披露。春野氏は「浪曲は静かに聴くものではない」とし、浪曲師が登場した際は「待ってました!」、前口上が終わった際は「たっぷり!」などと浪曲ならではの掛け声があると説明した。