「役が決まり、両親に『おめでとう』と言ってもらえたのがうれしかった」と話す浅倉さん=東京・銀座の東奥日報社東京支社
アギレラを演じる浅倉さん((c)2021 石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映)

 小柄ながら強い光を放つようなルックスと存在感、誠実な語り口が印象的。弘前市出身の若手俳優・浅倉唯さん(25)に注目が集まっている。

 青森朝日放送で放送中の仮面ライダー放送開始50周年記念作品「仮面ライダーリバイス」(毎週日曜午前9時)で、メインキャストの1人である「美しき悪の女王・アギレラ」に抜てきされた。「俳優として初めてのオーディション。でもせっかくのチャンスを逃してはいけないと決意して臨み」、重要な役どころをつかんだ。「ダークサイドの役も好き。演じることにわくわくしている」。悪役にも臆することはない。

 「地元の保育園のお遊戯会で歌と踊りを披露し、これを仕事にできればと願うようになった」。その時から胸に抱いてきた芸能界への憧れが具体的な目標に定まったのが高校時代。「東京の大学を目指せば両親も上京を許し、芸能界に近づけると。でも大学に合格した後の上京の日、家族に別れを告げ実家のドアを閉めると、寂しくて涙が出た」

 学生生活に慣れたころ、アイドルユニットのオーディションに合格、芸能界へと踏み出した。俳優を目指そうと思ったのは、アイドルの仕事で映画制作に携わったことがきっかけ。「演技の仕事をしたいという志向は自分の中にあった。容易でないと分かっていたが、撮影現場で俳優の仕事に触れて感動し、人生の目標は俳優だと思いを固めた」という。

 「リバイス」での浅倉さんは初の本格演技にもかかわらず注目を浴びた。「アクションも多い中で、『女王』らしい余裕が感じられる演技を工夫した」。有名週刊誌の巻頭グラビアと表紙も飾り、掲載号が瞬く間に品切れとなるなど一躍大ブレーク。「多くの方々に私を知ってもらえた。実感は湧かないんですが…」

 多忙な日々の中、心の支えになるのが故郷・弘前の存在という。「故郷でゆったり流れる時間を過ごすとやる気が出る。いつでも自分を迎えてくれる場所があるので安心できる」。スマホには帰省の際に列車の窓から撮った津軽平野と岩木山の写真が入っており、今も時折眺めている。

 昨年12月から公開されている、仮面ライダーの映画最新作にも出演中の浅倉さん。「でも映画に出るだけでなく、主演を務めることが今の明確な目標」とさらなる成長を見据える。「歌手の中森明菜さんが大好きでよく歌を聴いているが、彼女が持つ彼女だけの表現力に強く引かれる。自分もいつか、自分にしかない方法をしっかり持った表現者になりたい」

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 <あさくら・ゆい 1996年弘前市出身。東京の大学在学中にアイドルとしても活動。放送中のドラマ「仮面ライダーリバイス」が俳優初出演。「仮面ライダー50周年記念映画 仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ」にも出演中。初写真集も今年発売予定>