小説、漫画(まんが)、専門書(せんもんしょ)、絵本、エッセー…いろいろな本がありますよね。本は私(わたし)たちに知識(ちしき)や感動、夢(ゆめ)を与(あた)えてくれます。本屋さんでは、お客さんに少しでも本に興味(きょうみ)を持ってもらおうと店員が頑張(がんば)っています。弘前(ひろさき)市の「紀伊國屋書店(きのくにやしょてん)弘前店」店長の萩原正之(はぎわらまさゆき)さん(45)は「どの本でも、1冊(さつ)読めば自分の世界が広がるのが読書の良さ。書店は人と本との出会いをつくる場です」と話しています。
店内にはずらりと棚(たな)が並(なら)び、何千、何万という本があります。本を売る上でポイントを聞くと、「新聞やテレビで取り上げられた本は問い合わせがよく来るので、しっかりとチェックします。お客さまあっての商売なので、もちろん接客(せっきゃく)は親切丁寧(ていねい)が大事」と教えてくれました。豊富(ほうふ)な商品知識も求められます。特に読んでほしい本は人々の目に留まりやすいように、なるべく入り口の近くに並べたり、同じ本をたくさん積んで目立たせたりなどの工夫をします。あまり注目されていない本でも、置き場所や展示(てんじ)の仕方で売り上げが伸(の)びることもあり、やりがいを感じるそうです。
萩原さんは東京(とうきょう)都で生まれ育ちました。小さいころから本好きで、特にSFやミステリーの小説が好きだそうです。大学卒業後、国内外に多くの店舗(てんぽ)を持つ紀伊國屋書店に入社。弘前市には一昨年にやってきました。本に携(たずさ)わる立場として、「弘前は学生も多く、本を好きな人がいっぱいいる。買う人もそうですが、書き手や地元の出版社(しゅっぱんしゃ)も多く、本に対する愛着を本当に感じる街です」。
最近ではインターネットの普及(ふきゅう)で、電子書籍(しょせき)も登場。本をめぐる環境(かんきょう)は大きく変わりつつあります。萩原さんは「文字を拡大(かくだい)したり、音楽を付けたりと、電子書籍の良さがありますが、本も1ページずつ自分の手でめくって読む良さがあります。それぞれバランスよく楽しんで、活字に多く触(ふ)れてほしいですね」と語っています。