脱炭素を巡る課題などを解説する山本氏

 東奥情報懇談会の特別講演会が6日、青森市のホテル青森で開かれ、常葉大学(静岡)名誉教授で国際環境経済研究所副理事長兼所長の山本隆三氏が、脱炭素時代のエネルギーの在り方について講演した。日本は近年、約20兆円相当の化石燃料を輸入しているが、脱炭素化が実現すればそれと同規模の水素や電気などの新市場が国内に生まれると指摘。「成長産業に取り組むことが日本の製造業や地域復活の鍵になる」と訴えた。

 講演会には会員ら約100人が参加した。山本氏は、主要国の脱炭素化の戦略や再生可能エネルギー導入の影響を解説。風力や太陽光など発電が不安定な再生可能エネルギーの割合が高い米カリフォルニア州が昨年8月に熱波に見舞われた際、必要な電力を賄えず計画停電に追い込まれたことや、国内では再生可能エネルギー普及のため料金に上乗せされる賦課金が製造業などで重荷となっていることなどを例示。「日本での再エネの主力化は無理がある」と述べた。

 山本氏はまた、青森県の将来にわたる大幅な人口減少を見据え、地域が生き残るには付加価値が高く多くの雇用を生む産業を育成する必要があると強調。青森県は化石燃料に代わる水素や電気といった新市場を狙うべきだと提言した。

 海外で研究・開発が進む小型原子炉の将来性にも言及し「いち早くやらないと、10年先20年先に地域は生き残れない」と指摘した。