衆院選小選挙区からの候補者に指南する小野五月さん=5日、大阪府高槻市

 31日投開票の衆院選を巡り、候補者のPR戦略を指南する選挙プランナーやコンサルタントの存在感が高まっている。新型コロナウイルス禍で集会でのアピールといった従来の活動方法が取りづらくなり、インターネット上の選挙運動やイメージ作りが一層重要になっていることも背景にある。

 10月上旬、大阪府高槻市の選挙プロデュース会社「オノ・プランニング・オフィス」。社長でプランナーの小野五月さん(64)が、急きょ府外で小選挙区出馬が決まった男性に、選挙で必要な道具を伝授していた。

 小野さんは選挙対策の組織づくりや情勢分析も手がける。8月の横浜市長選では、当選した山中竹春氏の選挙ポスターをデザイン。夜でも名前が目に入りやすいように色使いを工夫したと語る。

 今回の衆院選では候補者24人を指南する。他にも依頼があったが受け入れに限界があり、断ったという。「国政選挙での依頼は10年前の約5倍になった。選挙看板やビラに凝ったデザインを求める若い候補者が増えている」と話す。

 ネットを使った選挙運動は2013年に解禁。政治アナリスト中村佳美さん(29)の調査では、20年末時点で国会議員の約93%がフェイスブックのアカウントを持っていた。ユーチューブの利用も近年急増し、約75%がアカウントを保有。炎上対策も含めたネット戦略の重要性は強まっている。

 東京の企業「VoiceJapan(ボイスジャパン)」は、選挙の候補者向けに動画編集サービスを提供。最近は倍速で視聴する人が増えており、早く再生しても聞き取れる話し方なども指導する。会員制交流サイト(SNS)でデマ情報を流された場合の対応や、炎上対策も助言している。

 高橋茂社長(61)は「『ネット選挙』の重要さは増しているが、助言できる人は少ない。この分野の『市場』は今後、さらに大きくなるだろう」と指摘した。

(共同通信社)