火事などの災害や交通事故で、被災者を救い出すレスキュー隊。青森市の中央消防署救助隊に所属する大澤卓哉さん(22)は、出動指令が出るとすぐに現場に向かい、危険な場所にも飛び込んでいきます。
「現場に向かう時は冷静でいることを心掛けています。絶対に助けるという強い気持ちが大事です」と大澤さんは話します。
レスキュー隊の1日の仕事は、朝8時半から次の日の朝8時半までの24時間。夜中に仮眠を取りますが、いつでも出動する準備はできています。
大澤さんたちレスキュー隊は、救助工作車と呼ばれる消防車の一種で出動します。車には、固い物でも切れる油圧カッターや、つぶれた車を広げるスプレッターなど、救助のための道具が約200種類積まれています。
出動に備えて1日3回車両を点検し、現場を想定した訓練を繰り返し行うことも大切な仕事です。5メートルの高さまではしごで駆け上がり、けが人に見立てた人形を救助したり、ロープを使って降下するなど、さまざまな訓練を行っています。
「災害が続いて夜も眠れないときは大変ですが、現場で訓練の成果が出るとうれしい。素早く救出できた時はやりがいを感じる」と話します。3月の東日本大震災の後には、被災した岩手県野田村で、危険物を取り除く作業をするなど活躍しました。
小学生の時にテレビや新聞を見て、どんなに大変な災害現場でも最前線で活躍するレスキュー隊に一目ぼれして以来、努力を重ねて夢をかなえた大澤さん。中学や高校時代にサッカーを頑張ったことも、体力が必要な今の仕事に役立っているそうです。
同じ仕事を目指す人には「人助けはレスキュー隊じゃなくてもできる。子どものうちから優しさや思いやりを持って小さな人助けを続けていれば、いつか人の命を救える立派なレスキュー隊になれる」とエールを送ってくれました。