「見るよりも 踊(おど)って楽しい 黒石よされ」「もみじ山 紅葉(もみじ)きらめく 美しさ」-。黒石市教育委員会は、地元のお祭りや名所、伝統(でんとう)文化などを盛(も)り込(こ)んだ「くろいし郷土(きょうど)かるた」をつくり、本年度から貸(か)し出しを始めました。7月中旬(ちゅうじゅん)には、同市の山形公民館で児童らが郷土かるたを使って遊び、楽しいひとときを過(す)ごしました。
かるたは「あ」から「ん」まで読み札と取り札がそれぞれ46枚(まい)あります。「ん」から始まる言葉はなかなか見つからないかと思いますが、「んだんだと 黒石ことば あたたかし」と方言を使いあたたかみのある句(く)に仕上げています。
読み句は一昨年に公募(こうぼ)しました。市内外から220通の応募(おうぼ)があり、文化団体(だんたい)の関係者らでつくる「くろいし郷土かるた選考委員会」が46句を選びました。絵札は黒石商業高校情報(じょうほう)デザイン科の生徒が作りました。
山形公民館でのかるた遊びが初めての貸し出しです。同公民館が地元の児童を対象に2カ月に一度開いている「あそべ塾(じゅく)」の中で行われ、東英小学校の児童13人が挑戦(ちょうせん)。三つのグループに分かれて遊びました。児童らはスタッフが読み上げる句に集中し、絵札を見つけると大きな声で「はいっ」と言いながら手を伸(の)ばしていました。時には2人同時に絵札に手がかかり「私(わたし)の方が速かった」「いや私だ」と、真剣(しんけん)な勝負を繰(く)り広げていました。
今蒼太朗(そうたろう)君(3年)は「ちょっと難(むずか)しかったが、黒石のことがよく分かった」と笑顔(えがお)。大川侑紀(ゆうき)君(2年)は「ちょっと分からない内容(ないよう)もあったけど、それでも楽しかった」と話していました。佐藤小町(こまち)さん(5年)は「黒石の良いところに触(ふ)れられて良かった」と満足そうでした。