「防災(ぼうさい)の日」の9月1日、青森県三沢市北部の太平洋沿岸(えんがん)にある市立第三中学校(生徒数47人)で、大地震(おおじしん)と津波(つなみ)を想定した避難(ひなん)・防災の訓練が行われました。全校生徒が地域(ちいき)の代表と一緒(いっしょ)に、午前9時から午後4時まで1日がかりの訓練に参加。災害(さいがい)時にどう行動するか考えながら、自分の身を自分で守る「自助」、お互(たが)いに助け合う「共助」の大切さを学びました。
10年前の東日本大震災の津波で三沢市内では2人が亡(な)くなり、三中の学区内でも建物が被害(ひがい)を受けました。三中は住民と合同で毎年、防災訓練を行っています。今年3月に県の津波浸水(しんすい)予測(よそく)が改定され、大地震が起きた時に津波第1波が到達(とうたつ)するまでの時間が以前より約15分早まり約30分となりました。すぐ避難することが必要で、三中では5月から毎月、防災学習を行っています。
訓練では午前9時に緊急(きんきゅう)地震速報(そくほう)が響き、生徒は頭を守って机(つくえ)の下に入りました。3分後の大津波警報(けいほう)発令の合図で、1人1袋(ふくろ)ずつ準備(じゅんび)している非常(ひじょう)持ち出し袋を背負(せお)って駐車場(ちゅうしゃじょう)へ。生徒の大半は自転車で通学しており自分の自転車で、その他の生徒は徒歩で、学校から約3.7キロ離(はな)れた「道の駅みさわ」に向かいました。海から遠くに移動(いどう)する「水平避難」の行動です。
学校に戻(もど)り、屋根裏(うら)や屋上に移動する「垂直(すいちょく)避難」の訓練も行いました。避難所運営(うんえい)の体験や段(だん)ボールベッドの組み立て、テントの設営(せつえい)にも挑戦(ちょうせん)しました。
3年・田中詩乃(たなか・しの)さんは「避難した時や避難所では、病気など配慮(はいりょ)の必要な人がいたら声を掛(か)けたり、誘導(ゆうどう)したいです」と話しました。其田奈央子(そのだ・なおこ)養護教諭(ようごきょうゆ)は「道の駅へは以前より短時間で避難できました。生徒には自分の命を守り、周囲の人の命を救うことにも力を発揮(はっき)できる人材になってほしい。今後も地域の皆(みな)さんと力を合わせて防災学習に取り組みます」と語りました。