東京五輪アーチェリー男子で、青森市出身の古川高晴(ふるかわ・たかはる)選手(37)が団体(だんたい)と個人(こじん)で二つの銅(どう)メダルを獲得(かくとく)しました。古川選手は「地元開催(かいさい)の五輪で歴史(れきし)に名を残すことができてうれしい」と喜(よろこ)びをかみしめ、青森からの応援(おうえん)に「遠いけど、僕(ぼく)の心には届(とど)いている。努力すれば報(むく)われるということを伝えられれば」と話しました。
7月26日に東京・夢(ゆめ)の島公園アーチェリー場で行われた男子団体の3位決定戦で、古川選手は河田悠希(かわた・ゆうき)選手(24)、武藤弘樹(むとう・ひろき)選手(24)とのチームでオランダに勝利。長年の夢だった男子団体初のメダルを獲得しました。
同31日の男子個人3位決定戦では、台湾の選手と対戦。古川選手はテンポよく高得点(こうとくてん)を連発し、同点で迎(むか)えた最終第5セットの3射目(しゃめ)に10点満点を決め、見事メダルを勝ち取りました。2012年ロンドン五輪の個人「銀」を合わせた3個のメダル獲得は、日本アーチェリー界初の快挙(かいきょ)です。
古川選手は青森市の沖館中学校から青森東高校に進み、希望していた弓道部(きゅうどうぶ)がなかったため、代わりに選んだのがアーチェリー部でした。周りの人たちが目を見張(みは)るほどの「練習の虫」となり、名門・近畿(きんき)大学(大阪府)で才能(さいのう)が開花。現在(げんざい)も同大を練習拠点(きょてん)とし、今回で5大会連続の五輪出場を成し遂(と)げました。
「青森を離(はな)れて18年になるけれど、応援(おうえん)してくださることがありがたい」という古川選手。「いつか報告会(ほうこくかい)を開いて皆(みな)さんにメダルを見せたい。帰省した時は、きっと皆さん、僕(ぼく)の顔を知ってくださっていると思うので、ぜひ声をかけて」と県民にメッセージをくれました。