▼10歩
八戸市の玄関口JR八戸駅の東口。市民の木「イチイ(オンコ)」が植えられている=地図(1)

 駅を出ると深緑色に茂る大きな針葉樹。八戸市民の木「イチイ(オンコ)」とあるが、市民になって1年と3カ月余りの筆者は恥ずかしながら初めて知った。街をぶらりと歩けば新しい発見があるものだ-などと本企画の趣旨に納得した。

▼156歩
「はちのへワッフル」を手に笑顔の久保さん。この時期は小倉クリームがおすすめだ=地図(2)

 駅前商店街を進むと「夏限定 和っふる 新発売」と書かれたポップな看板。甘い香りに誘われて「パティスリーさんぷく」に入ると、従業員の久保佑香里さん(24)が出迎えてくれた。店の看板商品はクリームがたっぷり入った「はちのへワッフル」。この時期は抹茶わらび餅入りの小倉クリームが並んでいる。

 「幅広い世代の方に愛されている商品です。多い日は100個以上売れるときもあります」と久保さん。ワッフルを頬張ると、口いっぱいに幸せが広がった。

▼2067歩
彫刻家・故澤田政廣らの作品がずらりと並ぶ「洗心美術館」=地図(3)

 腹ごしらえを済ませ八戸合同庁舎前の丁字路から歩道橋を渡って北に。住宅街をさらに進むと「洗心美術館」が見えてきた。同館は2010年にオープンし、文化勲章を受章した彫刻家・故澤田政廣らの貴重な作品を展示している。

 小坂明館長(79)は「感性豊かな子どもたちに本物の芸術に触れてほしい。物事の本質を見極める力を養ってくれたら」と笑みを浮かべた。

▼4499歩
ハードル走に挑戦する八戸西高校の生徒たち=地図(4)

 西へ進んで歩行者用階段から陸橋に上り、弓なりに伸びる国道454号を歩く。「こちらを左折 八戸西高校 三条中学校 三条小学校」の看板を見つけ左へ。雲が空を覆い始めた頃に八戸西高校へ到着した。

 グラウンドではスポーツ科学科の2年生が50メートルハードル走に挑戦中。橋本夏光さん(16)は「初めてにしてはなかなかのタイム」、柴山広大さん(16)は「思ったよりもタイムが伸びなかった」と汗をぬぐった。全員が走り終えるのを待っていたかのように空からは雨粒が。「雨だ」「降ってきた」と何だか楽しそうに話しながら片付ける生徒たち。笑顔がとてもまぶしかった。

▼5864歩
浴衣や甚平を着て輪になって踊る子どもたち=地図(5)

 雨が本降りになる中、傘を差して住宅街を北東に。夏祭りが開かれている八戸文化幼稚園に着くと、雨に負けない子どもたちの元気な声が響いていた。PTA役員の松尾沙織さん(35)は「子どもたちがとても楽しみにしている行事。親である私たちも力が入ります」と声を弾ませた。

 園内ホールでは盆踊りも。浴衣や甚平を着た子どもたちが輪になり楽しそうに踊っていた。佐々木絢平ちゃん(5)は「盆踊りが一番楽しかったよ」、上久保璃唯ちゃん(6)は「短冊に願い事を書いたよ。かわいいお嫁さんになりたいな」とニッコリ。

▼7072歩

 祭りの余韻に浸りながらゴールの八戸駅西口へ。駅構内を抜ければ3分ほどの距離を半日掛けてゆっくりと歩いた。時間に追われてばかりの日々。たまには遠回りも悪くないと思った。