地銀による企業育成の必要性について講演する日下氏

 東奥情報懇談会7月例会が12日、青森市のホテル青森で開かれ、金融庁監督局地域金融企画室長の日下智晴氏が「今求められる青森の経済エコシステム」と題して講演した。日下氏は、青森銀行とみちのく銀行が経営統合の基本合意を交わしたことに触れ、「上場企業や時価総額のしっかりある企業を何社育てられるかが、統合後の成果指標となる」との考えを示した。

 日下氏は両行を含む県内金融機関について「不毛な競争をしていたのは事実」と指摘した上で、「青森は産業技術などが眠っており、ポテンシャルがある。(統合する青銀、みち銀が)税金をしっかり納める企業をいかに育てるか。道は一つしかない」と語った。

 これからの地域金融機関像としては、小野浩幸・山形大学大学院教授が唱える農耕型と狩猟型の金融モデルを紹介。「顧客を奪い合う狩猟型金融モデルではなく、長期的な付加価値を顧客とともに育てていく農耕型金融モデルが求められる」と訴えた。

 また、かつて「金融処分庁」とやゆされていた金融庁が「金融育成庁」に変化したと説明。金融機関の検査・監督方針についても「自己資本の高い、低い」ではなく、将来に向けたビジネスモデルの有無を重視していると強調した。

 最後に「統合する(青銀とみち銀)両行が、青森において果たすべき機能を果たせるかが、(今後の)地域経済を決める」と結んだ。