リモート取材に応じるhitomiさん

 津軽を舞台にした映画「いとみち」のメイドの所作や文言の監修は、東京・秋葉原の老舗メイドカフェ「あっとほぉーむカフェ」のレジェンドメイドで、同カフェを運営するインフィニア株式会社の最高ブランディング責任者(CBO)を務めるhitomi(本名・志賀瞳)さんが担当した。リモートで東奥日報のインタビューに応じたhitomiさんは「映画がきっかけでメイドカフェに興味がなかった人にも知ってもらえるいい機会になると思う」と話した。

 同店は2004年、秋葉原のドン・キホーテビル内にオープン。現在は秋葉原と大阪に8店舗を展開し、約400人のメイドが在籍する。客を「ご主人さま」や「お嬢さま」と呼び、店を「お屋敷」に見立てるなど、独特な世界観の接客を提供するカフェスタイルのテーマパークだ。

 04年に同店へメイドとして入社し、その後数百人のメイドを束ねるリーダーに抜てき。料理や飲み物にかけるおまじない「萌(も)え萌えきゅん」などの個性的な演出を生み出した、日本のメイドカフェ文化のパイオニア的な存在だ。接客業のプロとして、「ご主人さま(お嬢さま)とメイド」という世界観の徹底にも努める。

 映画は、hitomiさんがメイドとして働く姿を参考にしている。出演者らに「私自身、ご主人さまの喜ぶ顔が言動力になっているという話もした。かわいいメイド服を着るだけでなく、その奥にあるやりがいも大事に伝えた」

 メイド歴は17年目だが「世の中の偏見とずっと闘ってきた」という。秋葉原といえばオタクのイメージがあり、冷ややかな目を向けられたことも。連続通り魔事件や東日本大震災、新型コロナウイルス-。店の危機にも何度も直面してきた。「ピンチのときは一緒に頑張ろうという意識が生まれやすい。映画の中でも店に危機が訪れるが、一致団結するきっかけになったと思う」と共感を寄せる。

 国内の大学や海外で講演活動を行い、メイドカフェを日本が誇れる文化にするため奮闘する。「主人公はメイドカフェのアルバイトを通じて成長した。映画の主人公に自分を重ねて見ることで、自分も変わりたいと思う女の子たちがメイドを職業の選択肢と思ってもらえたらうれしい」と期待を込めた。