青森県といえば、リンゴ。リンゴ農家の作業を支(ささ)える道具の一つに、受粉や収穫(しゅうかく)に使うはしごがあります。アルミ製(せい)が主流となった今も、昔ながらの青森ヒバのはしごを作り続ける弘前市和徳町の木村木工所(木村雄治(きむらゆうじ)社長)が、同市のシードル工房(こうぼう)kimori(キ モ リ )(高橋哲史(たかはしさとし)代表)、木村木品製作所(木村崇之(きむらたかゆき)社長)とともに、子どもが登っても安全なサイズのはしごを開発しました。木村雄治社長は「木の道具が持つ温かさ、手ざわりを感じてほしい」と話しています。 木村木工所は建具屋さんですが、リンゴ農家の間では「木村のはしご屋」として知られています。同社のはしごは100年以上の間、ほぼ形が変わらないまま作られています。商品は「5尺(しゃく)(高さ1.5メートル)」「6尺(同1.8メートル)」「7尺(同2.1メートル)」の3種類です。
今回新たに開発したのは60センチの「nishagu( に しゃぐ )(2尺)」。「リンゴ園の中で子どもが遊べるような道具をつくれないか」と考えたkimoriの高橋代表が、子ども向けの木製おもちゃなどを開発している木村木品製作所に相談。「子ども用」はしごの製作を、同製作所の本家である木村木工所に依頼(いらい)しました。
引っかかってけがをしないよう、丸みを帯びたねじにするなど、安心して使えるよう工夫(くふう)。木製なので、開く角度や段数など、リクエストに応じて変えることができます。
また、踏(ふ)み台や、いすとしても便利で、おしゃれな見た目も評判(ひょうばん)をよび、県外からも問い合わせがあるといいます。
高橋代表は「細かいところまでていねいに作られていて、さすがの技(わざ)。うちのリンゴ園でも子どもたちが登ってはしゃいでいます」と話していました。
※「nishagu」は受注生産。関する問い合わせはkimori(電話0172-88-8936)、または木村木工所(同0172-32-5590)へ。