村公用車でワクチン集団接種会場に到着した風間浦村の高齢者=11日午後

 新型コロナウイルスワクチンの高齢者接種で、青森県内の複数の市町村が専用バスを運行したり、循環バスを無料にしたりするなど、自宅から接種場所までの移動を支援している。特に町村部では公共交通機関が少ないというハンディを、専用バス運行などでカバー。早期収束へ向け、一人でも多くの高齢者に接種してもらいたい-との意向がある。

 11日午後2時半ごろ、風間浦村のワクチン集団接種会場・村総合福祉センターに、ワゴンタイプの村公用車1台が到着した。乗っていたのは接種を予約した高齢女性。村職員の手を借りて車を降り、車いすで会場に入った。

 4月20日に県内で最も早く高齢者の集団接種を始めた同村は、公用車を利用して高齢者の移動を支援。会場から約10キロ離れた下風呂地区など、村内各地に出向いている。集団接種を予約した約670人のうち約120人が送迎を希望した。

 冨岡宏村長は「車を持っていない人は、会場に近い易国間地区からでも10分ほど歩いて移動しなければならない。移動手段を持っていない人を支援したい」と話した。

 人口約1300人と県内最小規模の西目屋村。村内に医療機関がないため、隣接する弘前市の医療機関でワクチン接種を実施。希望する高齢者を大型バスで送り迎えしている。

 集団接種初日の7日は24人が、45人乗りの大型バス2台に分かれて乗り、間隔を空けて座った。伴走車を1台つけ、急な体調の変化に対応できるようにした。

 県内でバス運行の移動を支援している、または支援を予定する自治体は、同村のほか五所川原市、鯵ケ沢町、深浦町、中泊町、六ケ所村、新郷村など。三沢市は事前申し込み不要の専用バスを運行。担当者は「安心感を高め、接種率が高まることに期待」と語る。

 黒石市は市回遊バスの無料乗車券を配布するほか、市内10地区の公民館・地区センターと集団接種会場を巡回する無料タクシーを運行する。十和田市、外ケ浜町、七戸町なども、既存の循環・シャトルバスを利用して、会場への“足”を確保。平川市は、集団接種の会場ごとに送迎タクシーを運行している。

 一方、医療機関での個別接種を原則としている青森市、弘前市、八戸市は、送迎支援制度などは設けていない。八戸市の担当者は「日常的な受診の時と同じ手段で移動が可能と考えている」としている。