昨年10月~今年1月に青森県内で発生した新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)や感染経路不明の検体を遺伝子分析した結果、弘前市の飲食店を起点とした大規模クラスターは八戸市の介護施設や、弘前保健所管内の県立高校クラスターへと感染が連鎖していたことが分かった。遺伝子分析では3件のクラスターが同一の遺伝子系統と判明。一定期間、感染者が確認されていない状況を経て、一つの感染経路としてつながることが初めて明らかになった。

 これまでの保健所の追跡調査では3件の関連性は不明とされていたが、県が国立感染症研究所に依頼した解析で判明した。27日、青森市で開かれた県と医療関係者の「新型コロナ事例検討会」で、県感染症対策コーディネーターの大西基喜医師が報告した。

 それによると、昨年10月15日に判明した弘前市の大規模クラスター(関連含め県内確認186人)は、11月1日判明の八戸市の通所型介護施設、12月28日に弘前管内で判明した県立高校と計2件のクラスターと遺伝子系統が同一だったほか、この期間に青森市などで発生した感染経路不明の事例5件とも同じ系統と判明。別々の感染経路とされていた計8件は一つの系統で、見えないところで感染がつながっていたことになる。

 また別の遺伝子系統では、青森市の飲食店(最初の陽性判明11月30日)、八戸市の飲食店(同12月2日)、同市の事業所(同12月5日)のクラスター3件と、両市や上十三管内で11月中旬から年末に発生した6件の経路不明が同一だったことが判明。圏域をまたいだ複数の飲食店、事業所に感染が広がっていた。

 これで計17件とされていた系統は2件と分かったため、この期間に県内で発生した系統は110件から95件と整理された。

 大西医師は取材に「一つの系統が1~2カ月程度、潜在化して感染が連鎖していたことが分かった。ただ、最長でも3カ月程度で立ち消えており、県内で特定の系統がまん延している状況ではない」と述べた。

 これまでに県内で発生したクラスターは25件。規模別では5~9人が8件、10~29人が12件で、8割は30人未満の小・中規模だった。大規模クラスターは50~99人が4件、100人以上が1件。累計の感染者929人(26日現在)のうち、クラスター関連は595人で64%、残る334人は関連がなかった。

 検討会ではこのほか「弘前飲食店・病院クラスターの総括」などで厚生労働省クラスター対策班の専門家や医療関係者計10人が登壇したが、報道陣には非公開とされた。