コロナ時代を生き抜くヒントについて語る談慶氏

 東奥情報懇談会2月例会が25日、青森市のホテル青森で開かれ、落語家の立川談慶氏が「落語家流コロナ撃退法」と題して講演した。談慶氏は落語が生まれた江戸時代と現代には共通点が多いとして、「落語によって精神的なゆとりが確保でき、生き抜くためのヒントになる」と話した。

 コロナ時代の生き方について書いた自身の著書「安政五年、江戸パンデミック。」を引き合いに、江戸時代には30万人以上の死者を出したというコレラや、江戸時代に地震が多かったことなどを挙げ「令和は江戸の復習。今のつらさや不安、いらいらは先祖の英知に触れることで緩和できる」と述べた。

 致死率の高い疫病として恐れられたコレラだが、江戸っ子たちは「コロリ」と言い換えて笑い飛ばしたという。談慶氏はこうした点に「江戸っ子たちのユーモアを感じる。ストレスフルな時代だったからこそ、緩和するための落語が生まれた」と話した。

 談慶氏は相手の顔色をうかがう「忖度(そんたく)」の土壌が芽生えたのも江戸時代だったとして、「日本は(西欧文化に対し)相手のことを気遣う訓練がなされた。これが象徴的にまとまっていたのが江戸というコミュニティーだった」と説明した。

 講演の後半では落語の演目である「一眼国」「松山鏡」「水屋の富」を紹介し、他人の立場になって考える「他人目線」ついて解説。「うまくストレスを緩和し合い、分散し合うことでそれぞれの溜飲(りゅういん)を下げ合う。先祖はもっと緩やかでおおらか、したたかだったからこそ、あれほど時代が長く続いたのではないか。これが日本人らしい生き方だ」と締めくくった。