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脇野沢港に入港するむつ湾フェリー「かもしか」=地図(1)

 脇野沢港は、フェリーや定期船が発着する脇野沢の玄関口。乗船券売り場から歩き始めると、外ケ浜町蟹田発のむつ湾フェリー「かもしか」が港に入ってきた。

 観光バスやバイクが次々と降りてくる。県外ナンバーの車も目立つ。奈良ナンバーの乗用車に乗っていた大川紀興さん(78)は、自宅の奈良市から本県まで千キロ以上、車の旅をしてきたそうだ。

 「前日は竜飛崎まで走った。これから恐山に向かい、その後は奥入瀬渓流や八戸の方にも行ってみようかな」と大川さん。30年以上の「相棒」のアクセルを踏み、むつ市中心部へ向かっていった。良い旅を。

▼1153歩
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出荷前のタイを手にする蛸島さん=地図(2)

 陸奥湾を左手に海沿いを歩くと、脇野沢村漁協の水産物荷さばき施設が見えてきた。漁協業務課長の蛸島康之さん(62)にお願いし、魚を見せてもらった。

 この日揚がったのはタイとヒラメ。蛸島さんは「しけで漁を早めに切り上げたから水揚げは多くなかったけど、ものは悪くない。今期はタイ(の漁獲)がいくらか伸びるんじゃないかな」と期待する。魚はこの後、むつ市内の市場に出荷されるという。

▼2021歩
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鯛島(奥)を望む愛宕山公園。園内のツツジの手入れをしている松岡さん=地図(3)

 高台にある愛宕山公園に向かう。公園をぐるりと一回りしていると、真っ赤なツツジの向こうの沖合に脇野沢のシンボル「鯛島」を望める場所が。思わずカメラのシャッターを切った。

 「海と一緒に桜やツツジが楽しめる、とても良い公園なんです」と教えてくれたのは松岡敦子さん(65)。愛宕山公園をはじめ、地区に花を植えたり手入れをしたりしている住民団体「つつじケ丘開拓団」の団長を務める。

 「ここは地域みんなの憩いの場だから、園内にあるツツジもお地蔵様も忘れられないよう大事にしたい。団員みんなで楽しく環境を守っていけたら」と願いながら、松岡さんはツツジの伸びた枝葉を手でちぎって整えた。

▼3343歩
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地区中心部を走る国道338号交差点=地図(4)

 公園からの道を下ると、商店が並ぶ脇野沢の中心街に入る。いくつかの店に寄り道しながら、国道338号の交差点近くにある理髪店をのぞいてみた。

 新井田昭三さん(79)は、脇野沢で理髪店を営んで50年以上になる。月1回、老人ホームで出張散髪も行っているという。

 「お客さんのおかげでご飯も食べてこられたし、地域に育ててもらってきた」と感謝する新井田さん。「昔に比べて魚も取れなくなったし人も減ったけど、私を必要としてくれる人がいるから、まだ頑張りたいと思う」と話した。

▼4196歩
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脇野沢八幡宮の「おもかる石」を手にする田中さん=地図(5)

 国道の向こうに鳥居が見える。スタート地点に戻りがてら、立ち寄ってみた。脇野沢八幡宮の境内はひっそりとしていて人影はなかったが、近くに住む田中喜久美さん(74)が「8月の大祭では、通り沿いに大漁旗がずらっと並んでにぎやかになる」と教えてくれた。

 田中さんの案内で、八幡宮の一角、護摩(ごま)堂の中にある「おもかる石」を見せてもらった。2015年に、下北ジオパーク認定を祈願して奉納されたおもかる石は、持ち上げたときに軽く感じると願いがかない、重く感じるとかなわないとされる。

 「おかげで、ジオパーク認定はかなった。持ってごらん」。田中さんに促されて持ち上げてみると、ずっしり重かった。