クラスターが発生した黒石あけぼの病院=10日午後、黒石市

 青森県は10日、弘前保健所管内で新たに40人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。全員「黒石あけぼの病院」(黒石市)の入院患者と職員ら関係者で、県は大規模クラスター(感染者集団)が発生したとして病院名を公表した。感染者は現時点で入院患者27人、職員12人、同居人ら関連2人を含め計41人。いずれも軽症、無症状で重症化していない。ほかの入院患者と職員の約230人全員を対象に検査を進めており、さらに拡大する恐れがある。

 1日当たり40人の感染発表は、県内では弘前市で大規模クラスターが発生した昨年10月16日の26人を上回り過去最多。感染確認の累計は790人となった。

 新たな大規模クラスターとなった同病院は、認知症や精神疾患の患者を診療する医療機関。県によると、入院患者約120人、職員約150人で、外来患者は1日60人程度。

 感染した患者(50~80代以上男女27人)と職員(20~70代男女12人)の計39人は全員、同じ病棟フロアに関係していることから、県はこの病棟で感染が拡大し院内感染が起こった可能性があるとみている。

 現在、周辺病院の協力も得て、院内の調査や感染拡大防止を急いでいるが、拡大リスクの程度など全容は不明。感染した入院患者27人は、80代以上が15人に上るなど、大半が基礎疾患のある高齢者で重症化リスクが高く、全員がコロナ受け入れ病床に転院できるか見通しが立っていない。

 県感染症対策コーディネーターの大西基喜医師は会見で「非常に厳しい状況にあるが、何とか調整して適切な医療を受けられるよう力を尽くす」と述べた。ほかの入院患者のケアなど病院の運営支援についても、今後調整を本格化させる。

 感染経路は不明。最初に感染が確認されたのは9日の50代女性職員1人(7日発症)だが、院内では既に今月3日から発熱やせきなどの症状があった入院患者が少なくとも5人いて、1月下旬から感染が起こったとみられる。最初に職員の感染が判明するまで病院側から保健所に連絡などはなく、症状のあった患者が検査を受けていなかった理由は分かっていない。

 県によると、入院患者と職員の全員を対象にした検査は10日までに約50人を終えたが、現時点で検査対象に外来患者は含まれていない。今後接触状況などを調査しながら進める。病院外の濃厚接触者は、職員の同居人らを除き今のところ把握できていない。県は、病院に関係する人で症状がある人は、保健所に連絡するよう呼び掛けている。