黒石市の中郷(なかごう)中学校(笹田和夫校長)の生徒らが北方(ほっぽう)領土(りょうど)の問題を学ぶため、8月1日から4日まで北海道根室(ねむろ)市などを訪(おとず)れ、問題の経緯(けいい)や返還(へんかん)運動の歴史について学びました。生徒らは旅を通じて領土問題を身近なこととして感じ取り、「家族と話し合ってみたい」などと話していました。
北海道を訪(おとず)れたのは、中郷中の2年生14人と教員4人の計18人。県北方領土返還促進(そくしん)協議会(熊谷雄一会長)が実施(じっし)している事業で、県内の中学生では3回目の派遣(はけん)となりました。北方領土問題とはロシアが択捉(えとろふ)島、国後(くなしり)島、色丹(しこたん)島、歯舞(はぼまい)群島(ぐんとう)を不法に占拠(せんきょ)し、日本が返還を求めていることです。
生徒らは、根室市の北方四島交流センター「ニホロ」で、元色丹島民の中田勇(いさむ)さん(89)から旧(きゅう)ソ連占領(せんりょう)下の生活や、返還運動の歴史について約1時間にわたって話を聞きました。
また歯舞群島に近い納沙布岬(のさっぷみさき)を訪(たず)ね、実際(じっさい)に自分の目で島を見てその近さを実感。領土返還を願う「希望の鐘(かね)」を鳴らしました。
参加した酒井(さかい)慧生(としき)さん(13)は「問題を早く解決(かいけつ)しなければ、ロシア側の土地だという意識(いしき)がみんなに強くなってしまうのではないかと感じた」、大高(おおたか)心(こころ)さん(14)は「漁業者や元島民などいろんな立場の人の話を聞き、今の自分にもできることがあるのではないかと感じた。できることがあれば、積極的に参加してみたい」と話していました。