▼57歩
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岩木山を臨む御所温泉。路線バスで地区外から通う人も多いという=地図(1)

 まずは、庁舎内の御所温泉をのぞいた。平日の昼間でも、湯道具を手にした人がひっきりなしに出入りしている。「安くてきれいなのが売り」と、にこにこ顔で応対してくれた所長の鳴海和正さん(61)。お弁当を持ち込み、ゆっくり滞在する人も多いとか。湯船につかると目の前に岩木山がきれいに見える。

▼378歩
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日替わりランチを手にする佐藤さん。この日のメーンはヒレカツだった=地図(2)

 ランチののぼりに誘われてお食事処ミカミに入る。農協のリンゴ詰め作業の女性たちでにぎわっていた。「作業の日はここのランチを楽しみにしている」と成田美香さん(52)。大澤富喜恵さん(56)は「おいしいご飯を食べて、午後も頑張る」とほほ笑む。500円の日替わりランチを注文したが、店主の佐藤裕子さん(59)いわく「体を動かす人が多いので、男女問わずもっとボリュームのある定食が人気」。おだやかな笑顔に、ついついおしゃべりが弾んだ。

▼434歩
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「夕方になると小学生がおやつを買いに来る」と話す成田さん=地図(3)

 続いて並びの成田商店へ。店の一角で営む食堂は、「成岩食堂」の愛称で知られている。食堂の営業を終え、後片付け中だった成田貴樹さん(34)は「農家が忙しい時期は商店の方はちょっと暇だね」と笑う。相馬地区のおすすめスポットを聞くと「エビの養殖場かな」。

▼867歩
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養殖場を案内してくれた山崎さん。カニのふ化にも挑戦中だ=写真(4)

 坂道を下って養殖場へ。1度目は留守だったが、再度訪ねて山崎隆穂さん(70)に案内してもらった。今年はグルメ番組の取材も受け、エビの釣り堀が例年以上の大にぎわい。「相馬の人口以上の人が来たよ」と笑う。今季の釣り堀営業は終了したが、来年に向けエビの世話にいそしんでいた。

▼3470歩
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「今の時期は朝から晩までリンゴ作業。曜日感覚も無くなるよ」と笑う田澤さん=地図(5)

 農繁期だけあって、リンゴの出荷用コンテナを積んだトラックとすれ違う。農家の人に話を聞こうと、リンゴ畑を回った。話し声やラジオの音を頼りに、ちょっとお邪魔します。一家で早生(わせ)ふじの収穫、選果をしていた田澤俊明さん(57)は「(9月の)台風18号で傷が多いが、味は良い。1年育てて来たから、箱に入れて出荷すると、ほっとするね」と目を細めた。

▼4750歩
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右から清野さん、孫の愛実さん、工藤さん。リンゴについて愛実さんは「ふじが一番おいしい」=地図(6)

 畑を出ると、さっきも通った道に出た。子どもたちの声が聞こえて相馬小学校の方に向かう。清野悦子さん(72)は、下校する孫の愛実(かなみ)さん(11)を迎えに来ていた。清野さんは、学校向かいのリンゴ畑で作業していた工藤睦枝さん(74)と農協女性部でともに活動した仲。「ジュースの宣伝とかあちこち歩いたね」「忙しかったけど楽しかった」とおしゃべりに花を咲かせた。「相馬のリンゴは特別おいしいよ」と、工藤さんからもぎたてのリンゴをもらった。一つかじると、じゅわっ。運動不足の身にみずみずしい甘さがしみた。