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須藤米穀店の棟方さん。香ばしく焼けた「がっぱら餅」は祖父母の思い出の味だという=地図(1)

 午後3時すぎ。荒川沿いを南下し、信号を渡って桜並木通りへ。少し歩き、左手に現れた「須藤米穀店」に入った。米や手作り餅などを売っており、1番人気という津軽地方の郷土食「がっぱら餅」(1個120円)を5個購入。頬張ると優しい甘さが口に広がる。1人で店を切り盛りする棟方雅子さん(66)は「味付けは砂糖と塩とゴマだけ。おじいちゃんとおばあちゃんが教えてくれた味なの」とにっこり。少し温かい気持ちになった。

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「春先の贈り物などに人気がある」と新作の名刺入れを紹介するアトリエCANOE(カヌー)の竹内さん=地図(2)

 桜並木通りを歩き、二つ目の信号を左折すると「アトリエCANOE(カヌー)」というお店が左手にあった。店内には店主の竹内斉(ひとし)さん(51)手作りのかばんやベルト、財布などの革製品のほか、藍染めTシャツなどが並ぶ。革製品は修理やオーダーメードの注文も多いという。「革は使い込めばいろんな表情が現れて愛着が湧く」。魅力を語る竹内さんの目は少年のようだった。

▼2433歩
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笑顔がすてきな食事処夢楽多(むらた)の店主秀保さん(右)と妻のとみさん=地図(3)

 肌寒くなってきた同5時前。駒込川手前の信号を右折して分岐を右斜めに進み、「食事処夢楽多(むらた)」に入った。野菜ラーメンを待ちながら店について尋ねると、以前は市内の長島や筒井地区で営業しており、創業50年以上になるという。「学生客も多い。元気で続けていければいい」と笑い合う店主の村田秀保(ひでやす)さん(81)・とみさん(79)夫妻。隣で長女のさゆりさん(52)がほほえむ。親子愛と、野菜のうま味を凝縮した塩味スープが冷えた体にしみた。

▼2651歩
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「やきとり千葉」店主の弘子さん。焼いている最中のおしゃべりも楽しめた=地図(4)

 日はすっかり暮れてしまった。足早に青森高校方面に歩くと、右手に「やきとり千葉」の赤い看板が。店内でつくねや正肉など10本を注文すると、焼き場に座っていた千葉弘子さん(86)が、慣れた手つきで串を火に並べる。焼き鳥屋を始めて19年という。「昔はたばこを吸う高校生もいた。店にたむろしないよう買い食いを勧めてなかったの」。焼き鳥は絶妙な塩加減。千葉さんの昔話もいいスパイスになった。

▼4526歩
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「グローバルダイニングたか志」店主の高杉さん。料理の味はもちろん、気さくな人柄もファンが多い理由の一つだ=地図(5)

 ローソン青森高校前店手前で右折。北側に向かい、桜並木通りを戻る。午後7時を過ぎ、大食漢の筆者は腹を満たすべく、最後に「グローバルダイニングたか志」に入店。ご飯にビーフステーキが乗った人気メニュー「たか志ライス」(1500円税別)を注文した。甘じょっぱいソースが食欲をそそる。和食の修行を積んだ高杉直弘さん(44)の料理は女性ファンも多いという。「これからはカフェにも力を入れたい。友達同士や1人でも気軽に利用してほしい」

 店を出ると午後9時を過ぎていた。まだ花はつぼみの桜川。また多くの出会いを求め、満開の頃に訪れよう。