すべての例文に「うんこ」という単語を使った小学生向けの学年別漢字練習帳「うんこ漢字ドリル」が「笑いながら勉強になる」と人気です。3月に発売するとインターネットなどで話題になり、発行部数は計260万部をこえました。
一つの漢字に三つの例文があり、例えば、4年で習う「議」なら「今からうんこ会議を始めます」などとなります。
「大人はまゆをひそめますが、『うんこ』は子どもにとって口にするだけで楽しくなる魔法(まほう)の言葉なんです」と話すのは、小学校で習う全1006字に対応(たいおう)する計3018の例文を作った古屋雄作(ふるやゆうさく)さん(40)です。
普段(ふだん)は映像監督(えいぞうかんとく)として活動する古屋さんは10年以上前に「四、四、五」のリズムで楽しむ「うんこ川柳(せんりゅう)」を考案し動画などで紹介(しょうかい)してきました。
それを知った友人で出版社(しゅっぱんしゃ)「文響社(ぶんきょうしゃ)」社長の山本周嗣(やまもとしゅうじ)さん(41)が「子どもの『うんこ』へのエネルギーを学びに生かせないか」と提案(ていあん)。約2年がかりで制作しました。
例文を声に出して読みながら取り組んでいるという、さいたま市の小学2年柴崎陽向(しばさきひなた)君(7)は「全部に『うんこ』が出てくるのが面白(おもしろ)い。漢字は嫌(きら)いだったけど、これははまる」と言います。
東京都にある三省堂書店(さんせいどうしょてん)
成城(せいじょう)店の川崎千尋(かわさきちひろ)さん(51)は「好きな言葉が、ありえない状況(じょうきょう)で登場するのが人気の理由だと思う。勉強の習慣(しゅうかん)づけになるという保護者(ほごしゃ)も多いです」と話しています。
「うんこ漢字ドリル」は全6冊(さつ)、1冊1058円。