「土偶(どぐう)」って知っていますか? 土を固めて焼いたりして作った昔の人形で、青森県内でも数千年前の縄文(じょうもん)時代の遺跡(いせき)などから見つかっています。そんな土偶をイメージした土偶パンが最近、県内スーパーなどで売られています。もう食べましたか?
土偶パンは、青森市のパン製造(せいぞう)会社「工藤パン」が作っています。青森県庁などが、青森、岩手、秋田、北海道の4道県にある縄文時代の貴重(きちょう)な遺跡を「世界遺産(いさん)」に登録しようと活動しているので、それをパン作りを通じて応援(おうえん)することになりました。「お菓子(かし)作り考古学者・ヤミラ」として活動している下島(しもじま)綾美(あやみ)さん(神奈川県在住(ざいじゅう))に、アドバイスしてもらって、縄文時代にちなんだパンを考えました。その結果、亀ケ岡遺跡(つがる市)の遮光器(しゃこうき)土偶、三内丸山遺跡(青森市)の大型板状(ばんじょう)土偶をイメージした、「くどパン(工藤パン)のどぐパン(土偶パン)」2種類ができました。
このうち「どぐうあんパン」は、縄文時代からあったエゴマ、クルミなどを使っています。
もう1種類の「どぐうパンケーキ」は土偶の顔を焼き印で表現(ひょうげん)したパンケーキが特徴(とくちょう)の一つ。中のクリームには、砕(くだ)いたクッキーが入っていて、遺跡の地層(ちそう)をイメージしたザクザクした食感(しょっかん)になっています。
3月29日、関係者が県庁を訪(おとず)れ、三村申吾知事にパンを紹介(しょうかい)しました。工藤パンの工藤恭裕(やすひろ)社長は「縄文遺跡群(ぐん)PRに少しでも力になれればと考えました」、下島さんは「SNS(会員制交流サイト)などで、『くどパン』の『どぐパン』というネーミングが面白(おもしろ)い、と楽しまれているのがうれしい」と語りました。