田舎館村は、春の田植えから秋の刈(か)り取りまで楽しめる「田んぼアート」が全国的に有名です。冬の名物もつくろうと、昨年から村と県と協力して、雪の上に足跡(あしあと)で絵を描(えが)くスノーアートの催(もよお)し「冬の田んぼアート」も開き、今年のイベント(2月9〜12日)も大にぎわいでした。
2015年に初めてスノーアートを同村で披露(ひろう)した英国人サイモン・ベックさん(58)が、16年の第1回イベントに続いて今回も描きました。9日、同村高樋地区の道の駅いなかだてにある雪原を訪(おとず)れたベックさんは、雪歩き用の「スノーシュー」を履(は)いて約11時間も歩き回り、曲線や三角形などを組み合わせた長い辺約160メートル、短い辺約70メートルのほぼ長方形の雪の絵を完成させました。
その作品を、多い日で1日約4千人が展望所(てんぼうしょ)から見て、歓声(かんせい)を上げていました。親やいとこと見物した對馬(つしま)こころさん(田舎館小6年)は「こんな大きいものを1人で描くなんてすごい」と驚(おどろ)いていました。
イベントでは、会場に隣接(りんせつ)する弘南(こうなん)鉄道弘南線「田んぼアート駅」が、親子などによって作られた「お米ボード」などで鮮(あざ)やかに飾(かざ)られ、人気を呼(よ)びました。弘前市出身の画家・MAJIOさんによる企画(きかく)です。
ベックさんによるアートは今回が最後で、来年からは地元グループ「It's(イッツ) OK.(オーケー)」(須藤貴子代表)が担当(たんとう)します。イベント最終日、ベックさんは須藤さんらに描き方を指導(しどう)。「田舎館のスノーアートがもっと有名になってほしい」と期待していました。