青森市の筒井南(つついみなみ)小学校で5日、羊毛フェルトを使ってクリスマスツリーの飾(かざ)りを作るワークショップがありました。でも、みんなが思い描(えが)くような定番の物は作ってはいけません。講師(こうし)を務(つと)めた京都造形芸術(ぞうけいげいじゅつ)大学空間演出(えんしゅつ)デザイン学科専任(せんにん)講師の酒井洋輔(さかいようすけ)さん(35)=京都市=は「自分らしさのあるもの」と条件(じょうけん)を出しました。挑戦(ちょうせん)したのは6年生74人。さあ、何ができたかな?
酒井さんはアートディレクターという仕事もしていて、「ミスターチルドレン」「くるり」など国内のバンドのミュージックビデオ制作(せいさく)などに携(たずさ)わっています。デザインや美術の世界で大事なのは「みんなが見ていない物を見ること」とアドバイスしました。
児童たちは1色ずつフェルトを選び、約1時間、針(はり)で刺(さ)しながらフェルトを固めて形を整えました。リボン、スコップ、バナナの皮などいろんな飾りが完成。小笠原礼瑠(おがさわられいる)君は「吹奏楽部(すいそうがくぶ)で担当(たんとう)している楽器だから」と、サックスを作ったそうです。
最後に作品を並(なら)べて、酒井さんが一人一人に何を作ったのかを聞いていきました。一見何か分からない茶色の丸い粒(つぶ)のつながりがあり、「僕(ぼく)のように粘(ねば)り強い『納豆(なっとう)』を作った!」と児童が答えるとみんな大爆笑(だいばくしょう)。
でも、酒井さんは「よく分からない形でも、誰(だれ)も思いつかない『自分みたいな納豆』を考えるのはすごいこと。うまく作るのは練習したら誰でもできる。うまいからじゃなく、一人しかいないからすごいと思えるようになれば、美術はもっとおもしろくなる」と語りかけました。