青森県は30日、新たに5人(20~80代以上の男女)の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。うち3人は、入居者1人の感染が判明していた弘前市の認知症対応型「グループホームパインの街」の入居者1人と職員2人。この介護施設の感染者は計4人となり、新たなクラスター(感染者集団)となる懸念が出てきた。同市の飲食店「シャモン」を起点とした大規模クラスター関連とみられる。ほか2人は八戸市の80代以上と60代の母娘2人で、感染経路は不明。県は弘前のクラスターに関連する可能性が排除できないとして詳しく調査する方針。

 県感染症対策コーディネーターの大西基喜医師は「八戸の経路不明の2人がクラスター関連か、市中感染と結び付くかは現時点で不明。経路が分からない人が各地に増えていくようなら市中感染が疑われるが、まだその段階には至っていない」と述べた。

 県は同日、飲食店クラスター関連の2次感染者のうち、入院していた弘前保健所管内の80代以上の女性1人が死亡したと発表した。直接の死因は老衰とされる。もともと老衰の状態だったところ、コロナ感染による転院搬送など環境変化も影響したとみられる。コロナは中等症で肺炎の症状があったという。県内の感染者の死亡は3人目。

 弘前市の介護施設パインの街の新たな感染者は、80代以上の女性入居者1人と20~30代の男女職員2人。県は入居者8人、職員6人を検査対象としていたが、入居者7人と職員4人は陰性だった。職員の同居人を含め、さらに濃厚接触者を調査している。

 職員1人の感染が判明した平川市の介護老人保健施設「三笠ケアセンター」では残る職員2人の検査結果も陰性だった。これで入所者92人と職員ら関係者41人全員の陰性が確認された。

 30日現在の入院患者は62人。県全体のコロナ受け入れ病床201床に占める使用率は31%で、病床の逼迫(ひっぱく)具合を示す国の指標の「ステージ3」(25%以上)を依然超えている。

 前日まで重症だった2人は人工呼吸器が必要な状態を脱し酸素投与の中等症となった。重症者は1人に減り中等症は15人となった。

 利用客と従業員の飲食店クラスターは、前日と変わらず計72人(県外で確認の利用客5人含む)。県は30日から2次、3次感染などを含んだ飲食店関連とみられる感染者と、全くの経路不明者を分ける形で概要を公表した。その結果、クラスター関連は計176人、経路不明者は14人。県内の感染確認は累計222人となった。

▼八戸は母娘 経路不明

 八戸市は30日、新型コロナウイルスに感染した市内に住む80代以上と60代の母娘2人の行動歴などを公表した。母親は重症の肺炎、娘に症状はなく、2人とも市内医療機関に入院している。同市では11、12例目で今月2日以来の感染確認となった。

 県や市によると、感染経路は不明。母娘は2人暮らし。22日、親族1人と計3人で東北地方(県外)の観光地へ車で日帰り旅行した。29日、母親は持病の悪化により医療機関に救急搬送。肺炎の所見があったことから、県環境保健センターでPCR検査した結果、30日に陽性が確認された。人工呼吸器は着けていないという。娘は救急搬送に同行していた。一緒に旅行した親族は陰性が確認されている。

 母親は市内の通所型介護施設を週2日程度利用していた。体調を崩したため、22日以降は利用していない。同施設の職員は20人で、症状を訴える人はいないという。

 娘の濃厚接触者は25日に一緒に食事した市内居住の知人2人。施設職員と合わせてPCR検査を実施しており、31日夜には結果が判明する見込み。また、同施設には1日当たり20人程度の利用者がおり、市が濃厚接触者の洗い出し作業を進めている。