収穫期を迎えたリンゴをバックに、インタビューに答える豊川さん

 津軽地方を舞台に、内気な少女の成長を描いた映画「いとみち」で、主人公相馬いと(駒井蓮、青森県平川市出身)の父・耕一役を務めた豊川悦司が自身の撮影最終日、ロケ現場に近い板柳町のリンゴ畑でインタビューに応じた。津軽弁とたわわに実ったリンゴに癒やされた様子の豊川は「見ている人みんなが自分と共通項を見いだせるような普遍的な話で、とても楽しめるエンターテインメント」とPRした。

 大学教員と、思春期の娘を持つシングルファーザーという二つの側面を持つ役柄の豊川は、クランクインから約2週間遅れの9月28日から撮影に合流。自らの撮影の終わり近くになって、主人公の祖母・ハツヱ役の西川洋子、いと役の駒井と良い関係が生まれているとして「もうちょっと(撮影を)続けたいというのが今の気持ち」と話した。

 主演の駒井と日を経るごとに良いコミュニケーションができていて、もう少し撮影ができれば良かった-と語り「素晴らしい女優さん。刺激を受けたし、楽しかった」、今作のメガホンを取った横浜聡子監督(青森市出身)については、個性的な目線で物語を作っていく人と評価し、横浜監督自身がシナリオを手がけていることを踏まえ「とても繊細だし、いとみちの世界観をしっかりと持っている」と話した。

 作品の見どころは、やはり三味線と述べ「練習でも撮影でもハツヱ、いとの音を聴いていてジーンとくる。耕一さんも、耕一さんを演じている僕自身もジーンとくるので、映画を見る人にも必ず届くのではないか」と語った。

 豊川が青森県内で撮影に臨むのは映画「傷だらけの天使」(1997年)とドラマ「太宰治物語」(2005年)に続く3回目で、青森県について「僕は好きだな」と笑顔。リンゴの収穫が近いこの季節、豊川も撮影の合間にスマートフォンで鈴なりのリンゴを撮影するなど興味を示し「至る所にリンゴ畑があり、木にたわわになっているリンゴは美しいし、自然って良いなと思う」。津軽弁についても「とてもリズミカルで、温かい感じがして、耳に心地よい」としつつ「意外と街中では話していないんだな」と笑った。