青森県は29日、新型コロナウイルス感染者のうち、軽症者や無症状者を受け入れる宿泊療養施設として、弘前市内1カ所に100室程度を確保し、11月1日から運用を始めると発表した。感染者が急増している弘前保健所管内で施設を開設することにより、医療機関の病床逼迫(ひっぱく)を避けたい考え。施設で働く医療スタッフは順次増員する。

 県の宿泊療養施設は青森市のホテル(30室)、八戸市の宿泊施設(100室程度)に続く開設となる。勤務スタッフは県職員、看護・医療職のほか、緊急時に対応する医師で構成する。人員体制はまだ確立していない。県感染症対策コーディネーターの大西基喜医師は「スピード勝負なので、人員を集めながら運用を進める」と語った。

 大西医師によると、現状は感染者の多くが軽症状のため、施設の運用開始で病床使用率の低減が期待できるという。症状が改善した入院患者や現在自宅療養中の感染者が宿泊療養施設に移ることも想定している。

 県から施設開設の報告を受けた弘前市の桜田宏市長は、報道陣の取材に「医療機関の負担軽減や、感染者の方々の精神的な不安の解消にもつながると思う」と語った。市は弘前保健所に応援要員として職員を派遣しているが、宿泊療養施設にも職員を派遣する方向で調整している。

 弘前市はこのほか、濃厚接触者の家族など、自分の感染を心配する市民が、一時的に市内のホテルや旅館に無料で滞在できるようにする市独自の支援を11月初旬に始めると明らかにした。市観光課が窓口となり、市旅館ホテル組合と連携して一時滞在の希望を受け付ける。