「インドネシアでナンバーワンの保育所を目指します」と意気込みを語る松橋希さん=東京都新宿区のオフィスで

 「何かで悩んでも一晩寝れば吹っ切れるタイプ。行く前からあれこれ心配しても仕方がない。行けば何とかなると、前向きに考えています」

 自他ともに認めるポジティブ人間。はじけるような笑顔で語るのは、八戸市出身の松橋希(のぞみ)さん(39)だ。教育や人材育成、介護事業などを展開するヒューマンホールディングス(本社・東京)の海外事業推進室で、同社がインドネシアで始める保育事業の責任者を任されている。

 八戸東高校から福祉系専門学校に進学。卒業後は都内の介護施設で働き、認知症の高齢者と接するうちに、介護の仕事に楽しさとやりがいを見いだしたという。

 「認知症の方たちの言葉や行動に、その人の生きてきた証しのようなものが見えるんです。会話をして、その方たちのワールドに入れるのが楽しくて。もちろん体力的なきつさはあったけど、認知症の方と関わり、癒やされることが多かった」

 介護福祉士として3年半ほど勤めたころ、体の不調でいったん、介護職を離れる。回復後、「これまでの経験を生かして海外で仕事がしたい」と、2015年にヒューマングループに入社。グループの介護事業法人を経て、念願の「海外での仕事」を得た。介護の仕事とは異なるが、7月の保育所開設に向け、忙しくも充実した日々を過ごしている。

 インドネシアは人口が2億5千万人超で、世界第4位。若手の労働力が増えるのと同時に女性の社会進出も進み、子供を預けて働く女性が多くなってきたが、「その半面、保育や幼児教育に関わる法整備が進んでいません。働く親が安心して子供を預けられる施設が十分ではないのが現状です」と松橋さん。

 ヒューマングループは病院内や大学内を含め国内25カ所で保育所を運営している実績があり、インドネシアでも日本式の教育法を取り入れた保育所運営を行う。現地採用のスタッフ育成も重要な仕事だ。保育所は20年までに20カ所に拡大する計画という

 今後はインドネシア滞在が長くなりそうだが「言葉は住めば覚えていくかな、と。治安など不安がないわけではないけど、行けば何とかなるでしょう」とあくまでも前向きな松橋さん。「今は与えられたミッションを成功させることが第一。そして、インドネシアでナンバーワンの保育所を目指します」と目を輝かせる。