「『青森』が好き」と印字された「AOsuki」Tシャツを手にする須藤さん=東京都内

 修学旅行で東京を訪れる青森県の中学生たちに、夢を持つ大切さを説く。須藤公貴さん(36)=黒石市出身=が代表を務め、青森県出身者でつくる首都圏の経営者グループ「AOsuki(あおすき)」は年に数回、修学旅行生に職業講話をする活動を続けている。

 ウェディングプランナーやIT企業社長、官僚など、会員の職種は多彩だ。4月は戸山中(青森市)など2校に講話する機会を持った。「今は好きなことをやったらいい」。古里の中学生たちを前に、代表者としてあいさつする須藤さんの語りにも熱が帯びる。

 AOsukiは2008年に発足。会長は須藤さんで3代目だ。活動の柱である職業講話は13年、青森西中からの問い合わせで始まった。講話を受けた生徒たちから後日、手紙が届いたことでつながりができ、次は須藤さんが自ら同校に足を運んで熱弁を振るった。

 講話を通じて「明るくなった生徒もいる」と耳にし、「プラスの反響があるなら続けよう」と仲間内で申し合わせた。これまでに8校の修学旅行生に夢を語ってきた。

 「将来、東京においで、とは一切言わない。大人になることの楽しさ、夢を持つことの大切さを伝えたい」と須藤さんは力を込める。

 自身の夢は幼い頃から「社長」だった。小学1年で親に「社長になる」と宣言した通り、25歳で起業し、インターネット広告会社を始めた。

 現在は県産リンゴのネット通販サイト「りんご侍」を運営している。サイト上に登録されている農家のリンゴや加工品を消費者が吟味し、気に入った農家から商品を買える仕組みをつくった。珍しい品種を含め26種類を販売し、会員は約千人にまで増えた。

 社長宣言をした小1で始めたアルペンスキーは、国体出場の腕前を持つ。スキー仲間にリンゴ農家が多くいたことから「彼らと一緒に仕事をしたい」と考え、自分の得意なITとリンゴを融合した仕事を編み出した。

 最近はドローンでの撮影・映像編集を手掛け、テレビ局からも声が掛かるという。活動の幅をどんどん広げる一方、「本当は息子のために人生をささげるパパになりたい」と真顔で言う。

 小学4年の息子はスキーにのめり込み、冬になると毎週、親子で長野県などのスキー場まで行く。「息子の夢は既に『ワールドカップ優勝』。その夢に一番近い場所で寄り添いたい」。いくつになっても夢に終わりはないようだ