五輪を目指し、成長を誓い合う荒屋敷さん(右)と大久保さん=千葉県印西市の順天堂大体操競技場

 八戸育ちの2人が、体操の名門でともに世界を目指している。順天堂大学の体操競技部に所属する3年生の荒屋敷響貴さん(20)=八戸三中出=と、1年生の大久保圭太郎さん(18)=根城中出=は、八戸市内の同じ体操教室に通った小学生の頃からの友人であり、ライバル同士だ。

 学年こそ違うが、共に福井県の鯖江高に進学し、荒屋敷さんは選抜大会で個人総合、大久保さんは全日本ジュニアの種目別でチャンピオンに輝いた。そして今春、荒屋敷さんを追うように大久保さんも順大に進んだ。

 順大は2004年アテネ五輪団体金メダルの冨田洋之さん(37)ら、多数のメダリストを輩出。同大の体操競技場は千葉県印西市にある。

 2人は共に身長が160センチ台前半、体重は55キロと背格好は似ている一方、得意種目は異なる。あん馬や床を得意とする荒屋敷さんは本年度、日本体操協会の代表選手に初めて選ばれた。内村航平(リンガーハット)、白井健三(日体大)両選手をはじめ、20年の東京五輪を狙う著名な選手たちと共に名を連ねる。

 ただ、順風満帆な競技人生を歩んできたわけではない。順大へ入学する直前の16年3月、高校最後の練習で床を蹴り上げた時、右膝を痛めた。骨挫傷と亀裂骨折。もともとヘルニアを患っていた腰の手術も行ったため、入学早々、1年間の離脱を余儀なくされた。

 傍らで先輩らの練習を眺める日々。「息苦しくて練習場にいたくない、体操をやりたくないと思った」(荒屋敷さん)

 一方で新たな発見もあった。仲間の動きを観察し続けると、強い選手は周囲の雑音に惑わされない集中力、精神的な丈夫さが人一倍高いことに気付いた。そのうち、「自分もはい上がりたい」との思いを強くした。

 その頃、大久保さんは得意の跳馬を武器に高校体操界で活躍。日本一になり東奥スポーツ賞を獲得した中学時代から実力は同世代の上位だが、荒屋敷さんが出場する大会では「一度も個人総合で(荒屋敷さんに)勝ったことがない」という。

 2人の次戦は30日開幕の全日本種目別選手権。あん馬など出場する荒屋敷さんにとって、世界選手権(10~11月・ドーハ)や五輪の代表選考につながる重要な大会だ。跳馬で出場権を得た大久保さんは高難度技「ロペスハーフ」に挑戦するため特訓を重ねる。

 大学で再び仲間となり、荒屋敷さんは「格好悪いところは見せたくない」と笑う。一方で「中学からずっと目標(の存在)だけど、いつかは勝ちたい」と大久保さん。互いに高め合う2人は、五輪という同じ夢を描いている。