入院患者2人の新型コロナウイルス感染が確認された弘愛会病院=24日夜、弘前市
新型コロナウイルスの新規感染者について説明する大西医師(右)と県健康福祉部の奈須下淳次長(左)=24日

 青森県弘前市の飲食店クラスター(感染者集団)を起点とした弘愛会病院(同市)のクラスターは24日、入院患者2人への院内感染が新たに発覚し、事態が急転した。県内医療関係者は「最も避けなければならないことが起こってしまった」「人ごとではない」と強い危機感を表した。「病院にリスクが潜んでいるのは恐ろしい」。市民の間にも不安が広がった。

 弘愛会病院では12~16日にかけ医師2人と職員3人の感染が判明。外来と入院の患者、職員ら計239人全員を対象とした検査は19日までに終了し、陽性者5人以外は全員の陰性が確認されていた。

 しかし、その後、当初の検査では陰性だった職員の中に症状を訴える人が相次ぎ、いずれも再検査で21~23日に職員4人の陽性が判明した。ただ、23日の時点では職員同士の職場内感染でとどまっており、県は病院が感染管理をしっかりしているため、感染の広がりは限定的との見方を示していた。

 「封じ込め可能」との楽観は24日夕、院内感染の発覚で吹き飛んだ。県によると、感染した職員が当初の検査で陰性となった後も自宅待機できず、入院患者のケアを続ける中で感染させた可能性があるとしている。再検査で陽性となった職員4人は、最初に感染が確認された医師の濃厚接触者だったとみられている。

 陰性から陽性に転じるケースは全国的に確認されており、ウイルス量が少ない潜伏期に行った検査では陽性反応が出ないことが分かっている。

 県感染症対策コーディネーターの大西基喜医師は「検査で陰性となっても、決してその後の陰性証明ではない。特に感染者の濃厚接触者に当たる人は、やはり2週間は外出を控え、健康観察を続けることが重要」と強く注意喚起した。