狂言の人間国宝・野村万作さんと息子の萬斎さんらによる、新型コロナウイルス終息祈願「狂言青森特別公演」(東奥日報社、東奥日報文化財団主催、青森市文化観光振興財団共催)が10月14日、青森市のリンクステーションホール青森で行われ、観客が古典芸能の世界に酔いしれた。演目に先立ち萬斎さんが舞台に登場し、狂言の楽しみ方やこの日の3演目について解説。「狂言は、自分の欲望に素直な人が登場することが多い。皆さんの思うように楽しんでもらえたら」と観客に語り掛けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【写真】狂言「川上」で盲目の夫を演じる野村万作さん


 二つ目の演目「川上(かわかみ)」では万作さんが「盲目の夫」を演じ、一度見えるようになった目がまた見えなくなった感情を、悲しげな声と複雑な表情で表現した。
 萬斎さんは最後の演目「樋(ひ)の酒(さけ)」で、主人から米蔵の番を任された「太郎冠者」を熱演。酒蔵の番をする「次郎冠者」役が米蔵へ「樋」を渡して酒を流し太郎冠者に飲ませる場面では、滑稽な動きと表情で会場を笑いの渦に包んだ。
 初めて狂言を見たという同市の大林由佳子さんは「解説のおかげで内容を理解でき、今の時代にも通じる笑いで楽しめた」と話した。会場は使用可能な座席を半数以下に設定するなど、新型コロナウイルス感染対策を徹底した。
 この日は同市の東奥日報新町ビルで、東奥日報ハウジングパーク、ハウジングパーク八戸、ハウジングメッセ弘前の協賛によるリモート鑑賞会も行われた。