青森県弘前市内の接待を伴う飲食店で新型コロナウイルスの大規模クラスター(感染者集団)が発生したことを受け、県は18日、青森市内に借り上げている軽症者と無症状者用の宿泊療養施設で受け入れを開始した。この1週間で感染者が60人以上と急増し、津軽地域の入院病床だけでは不足が見込まれるため。宿泊施設への患者受け入れは初めてで、同日は無症状の患者ら3人が療養に入った。

 県によると、現時点で確保できたコロナ対応の入院病床は県全体で165床。9月16日時点の161床からは4床増えたが、医療確保計画で目標とする225床には達していない。

 県は各地域で医療資源にばらつきがあるとして、津軽や下北などの圏域別の病床数は明かさず、全県的に入院先を調整するとしていた。クラスター関連の患者は既に津軽の圏域を超えて入院しているという。

 累計の感染者数から退院と死亡を除いた現在の患者は67人で、大半が弘前保健所管内。全員が入院すると県全体のコロナ病床の4割が埋まるため、県は無症状の患者らから宿泊療養に切り替えた。18日現在、入院中は25人、宿泊施設療養が3人。ほか39人は入院など調整中。

 青森市内の宿泊療養施設は、県が5月から借り上げているホテル30室で、30人の受け入れが可能。ほかに今月から八戸市内の宿泊施設1カ所で100室程度を確保しており、計約130室で県内全域に対応する。

 県内ではこれまで散発的な感染確認にとどまり、入院患者は11日にゼロとなっていた。医療体制が逼迫(ひっぱく)していなかったことから、県内の感染者は無症状や軽症でも全員が医療機関に入院し、宿泊療養施設が利用されたことはなかった。

 県によると、PCRや抗原検査の検査能力(9月4日調査時点)は、県内の医療機関と医師会の検査センターなどを合わせて1日最大533件の検体採取が可能。検査分析能力は民間検査機関委託分で底上げされ1日最大759件。インフルエンザとの同時流行を見据えた検査目標は1日4千件。