なぎささん(中央)を囲む、すぎのこ保育園(八戸市)の子どもたち
連載「あおもり未来キッチン」/おせち料理

 食材の宝庫・青森県の恵まれた環境と食文化を未来に引き継ぐため、子どもたちに知ってもらいたい郷土の食がある。1月から毎月1回の連載「あおもり未来キッチン」で、レシピを紹介するのは、八戸市在住の食育料理家・なぎさなおこさん。併せて、グローバル時代を生きる子どもたちが、地元の食を外国人にも伝えられるよう、青森市在住のインバウンドコーディネーター・山内リチャードソン澄子さんが英訳を担当する。連載に込めた2人の思いは-。

 その気になれば、ほとんどの食材、食べ物が手に入る現代。なぎささんはその一方で「子どもだけでなく大人でも、地域の食をしっかり伝えることができる大人が少なくなっている」とし、連載に「子どもも大人も、青森の食、文化について改めて知り、青森がいい所だと感じてもらいたい」と思いを込める。

 東京五輪に向けて外国人観光客は増加の一途。青森県のような地方で、日常的に外国人が歩いている状況も遠い将来ではない。国際的な仕事に憧れを持つ高校生、大学生も多いが、そのイメージは日本以外のどこか外国。「それがこれからは日本国内、中でも地方が国際的仕事の舞台になる」と山内さんは予測する。

 「わざわざ青森を選ぶのだから、何かイメージがあり、それを楽しむために来てくれる。食など共通のネタ、一緒に話をして楽しめるネタを持っていることは大事」と山内さん。なぎささんは「青森のことを知りたくて来た外国の方々に対し、青森の人が地元のことを知らないというのは寂しい。外国の人に限らず県外の人にも自信を持って伝えていけるようになったら」と願う。

 いや応なくグローバル社会を生きる子どもたち。なぎささんは「海外に出て行ったときに手近な食材で日本の食事が作れれば、言葉が苦手でも、食べ物、料理は世界の共通言語に」。山内さんは「子どもたちには自分たちの地域のことを知り伝えるため、必ず英語力を身に付けてほしい」と話す。

●レシピの紹介者

 

なぎさ なおこさん 株式会社フードコミュニケーション代表取締役・食育愛情料理家。「病気予防の食事」をコンセプトにした、旬の地野菜中心の家庭料理が人気のなぎさカフェオーナーシェフ。食育コーナーでコラムの連載や、食育講座や料理教室の講師、企業の魅力を引き出すレシピ開発やプロデュースなど、「食事のある楽しい環境づくり」に情熱を注ぐ。

 カフェを情報発信の拠点として活動中。コミュニケーションを重視したレッスンの参加者は赤ちゃんから90代までと幅広い年代に支持され、受講者は開講8年で2万人を超える。2014年料理のアカデミー賞と呼ばれる、栗原はるみなども受賞している「グルマン世界料理本大賞」ウーマンシェフ部門で世界2位。

 

山内リチャードソン澄子さん GLOBAL TABLE 代表。7歳で英語に目覚め、19歳で単身渡米を果たすも英語に泣かされ続け、異文化での身の置き方に四苦八苦する日々を長らく過ごす。

 その後ニューヨークで社会福祉士として奮闘する日々の中で、多国籍な相手に心を開き、相手の懐にもすんなりと入るグローバルコミュニケーション術を会得。2010年に帰国、16年に「地方と世界の人と人との懸け橋になりたい」と起業を決意。現在は地元ビジネスと外国人観光客のコミュニケーションをより円滑にするための環境整備支援や講師、地元住民と外国人観光客との距離を縮める着地型コンテンツの企画運営等を行っている。ミシガン大学ソーシャルワーク大学院修了、3児の母。