津軽地方を舞台(ぶたい)に、津軽三味線(つがるじゃみせん)が得意(とくい)な少女の成長を描(えが)く映画(えいが)「いとみち」の撮影(さつえい)が県内で行われています。ヒロイン役の女優(じょゆう)駒井蓮(こまい・れん)さん(平川市出身)ら出演者(しゅつえんしゃ)が、メガホンを取る横浜聡子(よこはま・さとこ)監督(かんとく)(青森市出身)の指揮(しき)で、伸(の)び伸びとした演技(えんぎ)を見せています。撮影は弘前市や青森市、板柳町など全編(ぜんぺん)津軽ロケで10月上旬(じょうじゅん)まで行われます。みなさんが見たことがある風景や建物が映画に登場するかもしれませんね。
撮影初日の9月16日には弘前市内にあるビルで、駒井さん演じる主人公相馬(そうま)いとがアルバイト先のメイドカフェを初めて訪(おとず)れるシーンなどを撮影しました。駒井さんは時折、横浜監督のアドバイスを受けながら真剣(しんけん)な面持(おもも)ちで撮影に臨(のぞ)んでいました。
駒井さんは「地元で撮(と)る映画はいつもと違(ちが)う緊張感(きんちょうかん)がある。青森の温かさが伝わる映画になればうれしい」と話しました。横浜監督は「撮りたいものを撮ることが目標。最後まで楽しく撮影したい」と意欲(いよく)を見せました。
映画にはいとの父親役として俳優(はいゆう)豊川悦司(とよかわ・えつし)さんが出演するほか、タレントの古坂大魔王(こさか・だいまおう)さん(青森市出身)、「りんご娘(むすめ)」のときさん、ジョナゴールドさんら青森ゆかりの人たちも登場します。
作品は越谷(こしがや)オサムさんの同名小説が基(もと)になっています。タイトルの「いとみち」は、三味線を弾(ひ)くとき指にできる弦(げん)の痕(あと)のことを指すそうです。映画の製作(せいさく)委員会には東奥日報社と青森放送が参加。公開は2021年6月を予定しています。