もうひとつのアレコ完成−。青森県立美術館(びじゅつかん)に展示(てんじ)している舞台背景画(ぶたいはいけいが)「アレコ」に着想を得て、巨大(きょだい)絵画を描(か)くワークショップが9、10日の2日にわたり、青森市で行われました。県内の小学生から大学生まで30人が、形式にとらわれない表現(ひょうげん)を楽しみました。
アレコはロシアの画家マルク・シャガールが描(えが)きました。全4幕(まく)から成り、第3幕のみ米国の美術館が所蔵(しょぞう)しています。今回、その第3幕を念頭に置きつつ、自由に想像(そうぞう)を広げて自分たちのアレコを描こうという試みです。青森公立大学などの大学生でつくる団体(だんたい)「LESTA(レスタ)」が企画(きかく)、八戸ポータルミュージアムはっちの清水輝大(しみずてるひろ)さんが指導(しどう)しました。
制作(せいさく)に先立ち参加者は県立美術館でアレコを鑑賞(かんしょう)。「闇(やみ)」「ホラー」「生きる」などいろいろな印象を得ました。
金沢(かなざわ)小4年の高橋春香(たかはしはるか)さん=青森市=は「いろんな見方を聞くことで、もっと想像(そうぞう)が膨(ふく)らむので楽しい」と話します。
制作は2グループに分かれて行いました。一方はテーマを決めずに即興(そっきょう)で絵筆を走らせました。一見するとバラバラに見えましたが、時間がたつにつれて絵にハーモニーが生まれていきました。もう片方(かたほう)は、現実(げんじつ)と夢(ゆめ)を共存(きょうぞん)させました。
完成した絵は横約6メートル、縦(たて)約4メートル。「暗い印象が強かったアレコ。でも、みんなで描いていくにつれてイメージが変わった」と荒川(あらかわ)中3年の棟方裕太(むなかたゆうた)君=同=は満足そう。
絵は8月、青森市の県総合(そうごう)社会教育センターの入り口ホールの壁(かべ)に飾(かざ)られる予定です。