撮影に向けて意気込みを語る横浜監督=11日、弘前市

 全編津軽地方でロケが行われる映画「いとみち」は16日から撮影がスタートする。撮影のため青森県入りした青森市出身の横浜聡子監督(42)が11日、弘前市内で東奥日報インタビューに応じ、約7年ぶりとなる地元での撮影に「待ちに待ったという感じ。気合の入り方が今までと違う」と意気込みを語った。

 プロデューサーから企画を持ち掛けられたのが3年前。「原作を読み、すぐにやらせてくださいという流れになった」。内気で人見知りな女子高生の主人公相馬いとに高校時代の自分自身の姿を重ね「自分の事のように読めて感情移入した」と横浜監督。

 津軽地方にあるメイドカフェで物語が展開する。約半年かけて自身が手掛けた脚本には、原作にないメイドらしい“萌え”要素を取り入れた。秋葉原のメイドカフェにも実際に足を運び、「カレーライスに呪文を唱えてくれたり、魔法をかけてくれたりすることが、お客さんとのコミュニケーションツールになっていた。会話の糸口になる気がして面白いと思った」と説明する。

 原作にも登場する、いとと祖母が即興で三味線をセッションするシーンは特に描きたかった部分だと強調し、「三味線が映画の中でどんな音色を奏でるのかが今回の撮影の面白みだと思う。ドキュメンタリーを撮る感覚で撮影に臨みたい」と力を込めた。

 主役を演じる平川市出身の女優駒井蓮さん(19)については「とにかくじょっぱり。絶対に弱音は吐かないし、素直で人の話に耳をかたむける。前向きに頑張ってくれている」と話し、活躍に期待を寄せた。

 いとの父親・耕一を演じる豊川悦司さんからは「役についての意見をもらった。耕一はこういう人物だったんだと逆に気づかされた点が多かった」と明かし、「たくさん出てくる訳ではないが大事な役。現場に入りどうなるかワクワクしている」と声を弾ませた。

 映画「いとみち」は、コロナ禍で撮影が延期となり費用がかさんだため、東奥日報社のクラウドファンディングサイト「HANASAKA(ハナサカ)」で制作資金を募っている。横浜監督は「興味がある方はぜひ支援をお願いしたい」と呼び掛けた。

 <よこはま・さとこ 1978年生まれ、青森市出身。青森高-横浜市立大卒。2005年映画監督デビュー。「ジャーマン+雨」で07年度日本映画監督協会新人賞。「ウルトラミラクルラブストーリー」(09年)、「俳優 亀岡拓次」(16年)などで監督>

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