バッタといえば普通(ふつう)は緑色や茶色です。ところがこの夏、「ピンク色のバッタを捕(つか)まえた」という情報(じょうほう)が相次いで東奥日報に寄(よ)せられました。本当にピンク? なぜ? 情報提供者(ていきょうしゃ)や専門家(せんもんか)を取材しました。
青森市矢田前(やだまえ)の和田(わだ)憲成(けんせい)君(原別(はらべつ)小5年)、潤(じゅん)君(同1年)の兄弟が1匹(ぴき)のバッタを見せてくれました。体長は約2センチ。一見茶色のようですが全体的に色が薄(うす)く、確(たし)かにピンク色に見えます。
2人は7月20日、同市東部市民センターの駐車場(ちゅうしゃじょう)脇(わき)にある草むらで、ピンク色のバッタ1匹を捕まえました。翌日(よくじつ)にはさらに3匹。4匹はその後、残念ながら死んでしまいましたが、8月20日にまた1匹を捕獲(ほかく)。見せてくれたのはその時のバッタです。憲成君は「最初は毒(どく)を持っているかと思った」、潤君は「ピンク色はすごいと思った」と最初に見つけたときの驚(おどろ)きを振(ふ)り返りました。
原別小3年の金野(こんの)貴天(たかはる)君は8月10日、旧(きゅう)浅虫中学校前庭の草むらでピンク色のバッタを捕まえました。貴天君は夏休み中、毎日近くの草むらや川に遊びに行き、バッタやカマキリなどの大好きな昆虫(こんちゅう)を集めていたそうです。ピンク色のバッタを見つけ「初めて見るバッタでびっくりした。きれいな色だと思う」と話しました。
ピンク色のバッタの正体は? 津軽昆虫同好会代表の市田(いちた)忠夫(ただお)さんによると、ヒナバッタという丈(たけ)の低い草むらなどにすむバッタで、普通は灰色(はいいろ)に近い色だそうです。ピンク色の理由を「遺伝的(いでんてき)な理由で黒い色素(しきそ)を作れず、赤い色素のみが現(あらわ)れたのでは」と教えてくれました。
ピンク色のバッタは今年、東通村でも見つかりました。ただ、目立つので敵(てき)に狙(ねら)われやすく、「バッタ博士(はかせ)」の市田さんでさえ今まで1回しか見たことがない珍(めずら)しい存在(そんざい)のようです。もし見つけたらとても幸運かもしれません。