「コロナ禍の問うもの」をテーマに講演する南氏

 東奥情報懇談会の8月特別例会が20日、青森市のホテル青森で開かれ、禅僧で恐山院代(山主代理)の南直哉(みなみじきさい)氏が「コロナ禍の問うもの」と題して講演した。南氏は新型コロナウイルスについて、人間存在の根源に関わる問題をわれわれに突き付けていると指摘し、「この先、どう進むべきか、立ち止まって考えるべきだ」と訴えた。

 南氏は、人間というものは身体や自分のこと、死について、すべて分からなさを抱えているのが当たり前だが、近代の科学と資本主義は、あらゆることをコントロールしたいという社会をつくってきた-との大局観を示し「そこにコロナウイルスが登場した。どんなウイルスか、無症状化でだれが感染しているか、いつ収束するか、あらゆる分からなさに加え、異常気象が重なり、どちらも人間の力で制御できない状況になっている」と分析した。

 さらに南氏は「コロナ禍で(集まるな、近づくな、触れ合うなという)ソーシャルディスタンスを突き付けられ、身体性を自覚した人類が、身体を補助するために科学を役立てる社会へ修正できるのか。大げさにいえば文明の岐路にあると思う」と述べた。