小説「いとみち」の表紙(C)越谷オサム/新潮社

 津軽地方を舞台に津軽三味線が得意な少女の成長を描いた越谷オサムさんの小説「いとみち」が映画化される。メガホンを取るのは青森市出身の映画監督横浜聡子さん(42)。ヒロイン相馬いと役は、青森県平川市出身の女優駒井蓮さん(19)が務め、気鋭の県人2人が地元でタッグを組む。撮影は9月中旬から全編津軽地方で行われ、2021年の全国公開を目指す。

 映画のタイトルも「いとみち」。製作委員会には東奥日報社と青森放送が参加。8月下旬以降、東奥日報のクラウドファンディングサイト「HANASAKA(ハナサカ)」で、撮影応援サポーターを募る。

 原作は、11年に刊行され、その後「二の糸」「三の糸」と続いた人気の青春小説。原作者の越谷さんはミリオンセラー小説「陽だまりの彼女」でも知られている。

 駒井さんは14年に清涼飲料水のCMでデビュー。18年には映画「名前」で主演を務め、10月公開予定の映画「朝が来る」にも出演する。今回演じるいとは、強い津軽弁訛(なま)りと人見知りな性格という役どころ。小学生のころから原作を知っていたという駒井さんは「生まれ故郷での作品に出演させていただき本当にうれしい。撮影の中で新しい青森を発見したい」とコメントした。

 いとの父親役を演じるのは、青森県などで撮影された映画「傷だらけの天使」(1997年)で主演を務めた豊川悦司さん。そのほかの出演者も今後、順次発表予定。

 横浜監督は「ジャーマン+雨」で07年度日本映画監督協会新人賞を受賞。松山ケンイチ(むつ市出身)主演「ウルトラミラクルラブストーリー」(09年)や「俳優 亀岡拓次」(16年)などを撮った。県内での映画撮影は4回目という横浜監督は「毎回たくさんの協力に支えられ、人の優しさに気づく。作品でなんとか恩返ししたい」と意欲を見せた。

 撮影は青森市、弘前市、板柳町などで予定。コロナ禍の中での撮影について松村龍一プロデューサーは「ロケ隊は細心の注意を払い、健康管理に努めていく。青森県の人たちと一緒に喜びを分かち合える作品にしたい」とコメントした。

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