皆(みな)さん読書していますか? パソコンなどで情報(じょうほう)や知識(ちしき)を手に入れることはとても簡単(かんたん)ですが、本をじっくりと読むことは心を豊(ゆた)かにしてくれます。青森市の浪打(なみうち)中学校は、積極的な読書推進(すいしん)活動が認(みと)められ、全国出版(しゅっぱん)協会による本年度の高橋松之助(たかはしまつのすけ)記念「朝の読書大賞」に選ばれました。生徒たちは「読書は楽しい。これからもっと活動を続けたい」と喜んでいます。
浪打中の生徒たちは毎朝8時から10分間、教室で読書します。さすがに漫画(まんが)は駄目(だめ)ですが、図書館で借りたり、家から持ってきたりした小説などを読みます。短い時間でも毎日繰(く)り返すことで習慣化(しゅうかんか)され、ちょっとした空き時間でも本を読む生徒が多くなりました。日常(にちじょう)生活に読書がとけ込(こ)んできています。
浪打中は市民図書館と連携(れんけい)して校内に書棚(しょだな)を置いているほか、司書教諭(きょうゆ)の阿部裕美子(あべゆみこ)さんが年間150号近くの「図書だより」を発行し、おすすめの本を紹介(しょうかい)するなど、生徒の読書意欲(いよく)を高めようとさまざまな工夫をしています。作文の得意な生徒が増(ふ)えるなど、読書の効果(こうか)はしっかりと表れているといいます。
図書委員会委員長の長牛妃芽(ながうしひめ)さん、副委員長の山上翼(やまがみつばさ)君(ともに3年)は「大賞を受賞できてうれしい」「朝に本を読むと心が落ち着く」と笑顔を見せます。
熊谷(くまがい)せい子(こ)校長は「特別なことをしているわけではないが、本好きの生徒を育てたいと思いやってきた結果です」と話しています。
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<高橋松之助(たかはしまつのすけ)記念「朝の読書大賞」>
高橋松之助(1908〜77)は東京出版販売(とうきょうしゅっぱんはんばい)(現(げん)トーハン)元社長。高橋氏の遺族の寄付を基に、2007年度に始まった。5回目の今回は全国の小学校から高校までの計4校が受賞、浪打(なみうち)中は中学校で唯一(ゆいいつ)選ばれた。本県では過去(かこ)に木ノ下(きのした)中(おいらせ町)も受賞。