世帯ごとに距離を取って過ごす避難者=12日午前、三戸町のアップルドーム

 今月11日夜から12日にかけて大雨となった青森県内で、新型コロナウイルス感染拡大後、初めて避難所が開設された。避難所ではマスクや消毒液を備え、避難者も間隔を取って過ごすなどコロナ対策を徹底した。避難した人は多くはなく混乱などはなかったが、大規模災害発生時、多数の住民を受け入れることに自治体から不安の声も聞かれた。

 今回の大雨で馬淵川が増水したため、三戸町と八戸市の600世帯1336人に避難指示が発令。このほか、南部町、田子町、階上町に避難勧告、五所川原市に避難準備・高齢者等避難開始情報が出された。6市町で最大82人が避難所に身を寄せた。

 36世帯56人が訪れた三戸町の避難所・アップルドームでは、入館の際に消毒させ、非接触式体温計で検温した。ソーシャルディスタンス(社会的距離)を保つため、二つの和室の収容人数を通常(計40人程度)の半分程度に抑え、手狭になると広いホールに案内した。町の担当者は「コロナ対策を含め避難所開設に当たって大きな混乱はなかった」と振り返る。

 避難者のうち3世帯5人が近くに止めた自家用車内で過ごした。車内での長期滞在はエコノミークラス症候群を発症する危険性もあるため、町住民福祉課の中村正課長は「避難所に配置される保健師は、車内に残った人の健康管理にも十分配慮しなければならない」と述べた。

 延べ13人が避難した八戸市の館公民館と一日市生活館では、職員が2メートルの距離を置くよう呼び掛けた。避難者が少なく密にはならなかったが、訪れる人が多くなれば近くの小学校も避難所として開設する準備を進めていた。市の担当者は「コロナ対策を継続して意識しながら避難所運営に当たりたい」と語った。

 五所川原市の避難所となった松島小学校には7人が身を寄せた。

 市防災管理課の白取寛康課長は「今回は避難者が少なかったが、多くの人が避難した場合、避難所でソーシャルディスタンスを確保できるか不安」と課題を挙げた。また、市内すべての避難所を開設した場合、段ボールベッドやテントが不足する可能性があるとした。